自転車趣味において、軽量化と切っても切れない関係にあるのがカーボン素材。
フレーム・フォーク・サドル・ハンドル・シートポスト・クランク等々……
大抵の部位にはカーボン製の軽量パーツが存在していますが、個人的にパッとしない印象を持っているのがカーボン製のペダルです。
ビンディングペダルではよく見掛けるものの、フラットペダルとなると良品はほぼ皆無。
不思議に思って以前に調べたことがありますが、これには真っ当な理由があります。
ご存知の通りフラットペダルはMTBを主戦場とし、ペダルストライクによる衝撃が避けられません。
当然、局所的な打撃に弱いカーボンは不向きとなり、スパイクピンの設置や保持に関しても素材的に相性がイマイチ。
また、スパイクピンの固定穴やスピンドルの軸受けまわりといった形状の複雑さから、軽量化に対しての製造コストが見合っておらず、安価なナイロンコンポジット製と比べて殆どアドバンテージがありません。

一応、大手ECサイトを漁るとカーボン製のフラットペダルは見付かるものの、これが少し紛らわしい。
粗悪品でこそありませんが、カーボン柄をプリントしただけだけのよくある「ナイロンコンポジット素材」だったり、射出成型ナイロンに細切れの炭素繊維を混ぜ込んだ「カーボン短繊維強化樹脂/PA-CF」だったりと、誤解を招きやすい代物。
カーボンの名前を入れた方がマーケティング的に有利という理由から採用され、本来ならカーボン入りプラスチック素材のフラットペダルと呼ぶべき製品です。
大抵の方がイメージする連続繊維積層を備えたドライカーボン素材は全く使われておらず、重量面での優位性も殆どありません。
さて、ここからが本題。
フラットペダルの素材にドライカーボンは不向きであることはお伝えした通りですが、いつの間にか実用レベルの製品が登場していて、実際に使用した方による評価も悪くありません。

それがコチラ、ROCKBROS/ロックブロスのカーボン製フラットペダルで、踏面部分にT700のカーボンファイバーが採用されています。
製品名は「フラットペダル T700 カーボンファイバー 37000」となり、ドライカーボンを積極的に採用したかなり稀有な存在。
因みに、ロゴ無しの類似品が数多く存在していて、ROCKBROSが本家本元なのかは不明。
中華製パーツにありがちな風景ですが、価格がほぼ横並びになっているのでコピー品ではなくOEMの可能性も。

サイズ展開はSサイズとLサイズの二種類で、ペア重量はSサイズで215g、Lサイズでも252gと大変軽量な仕上がり。
踏面素材にプレート状のT700カーボンが使われていることもそうですが、チタンスピンドルの採用が軽量化に大きく寄与している印象ですね。
踏面がカーボンプレートなだけに現在主流のコンケーブ形状は流石に非採用なものの、強度面を考慮するとガチのトレイル用ではなく街乗りやグラベル用の方が向いていそうな気も。
軽量さばかりに目が行きがちですが、レビューによると回転も滑らかだそうで、MKS並みにスムーズだと評する方もチラホラ。

私の知る限り10cm×10cm相当の踏面サイズで250gクラスのフラットペダルは本当に希少。
他に思い当たるのは現在グラベルロードに使用しているxpedo/エクスペド「SPRY」くらいで、こちらは素材にマグネシウムが使われていたはず。
さて、カーボン製と言うことでお値段が気になりますが……実売価格8000円前後という手の届きやすさ。
Sサイズはミニベロやクロスバイクの軽量化、Lサイズはグラベルロードやファットバイクの軽量化に役立ててみたくなりますね。
一応、ROCKBROS的には高剛性を謳っているのでトレイルライドに使っても差支えないとは思いますが、ペダルストライクでカーボンプレートが割れるリスクだけは承知しておきたいところ。

最後に余談ですが、カーボンペダルを漁っていたらシマノSAINT/セイントの新作ペダル「PD-G8040」に遭遇。
シマノ製コンポは賛否両論のデザインが毎回話題になりますが、個人的にペダルだけは秀逸な印象。
新作のデザインも中々にカッコ良く、かなり見栄えのする外観ですね。
踏面の周囲に樹脂製バンパーを備えたハイブリッド仕様になっていて、これにより岩にヒットしても滑るように衝撃を受け流してくれるとのこと。
シマノ製フラットペダルの最上位グレードだけにお値段は余裕の30000円超え。
おまけに重さも400g台と重量級で、流石はダウンヒルやフリーライド向けと言った感じ。
仮に購入しても傷が怖くて使えそうにありませんが、このペダルを真顔で踏める胆力と財力が欲しいです……

