自分には過ぎた物だと重々承知していますが、最近ちょっぴり興味を惹かれているのが電動式の変速システム。
切欠になったのはシマノからリリースされたDEORE/ディオーレのDi2で、ケーブル要らずなフルワイヤレスという仕様。
明確な時期は定めていないものの、以前よりファットバイクの12速コンポをスラム系からシマノ系へと交換したいと考えていたため、内容次第では有力候補になり得ます。
実際に電動変速に交換する場合、一体どういったデメリットが存在するのか?
個人的に最も気になっているのが重量面で、電動変速の見るからにゴツいリアディレーラーには少なからずネガティブな印象を持ってしまいがち。
機械式変速から電動式変速へとシステムごと交換した場合、重量面での変化がどの程度なのかが気になって調べてみると、シマノ製に限っていえばオンロード用とオフロード用では異なる内容に。
端的に言うと、ロードバイクで上位グレードなら機械式と互角か若干軽量。
MTBならどのグレードでも機械式より重量増。
オンオフどちらもこなせるGRXは、僅かに重量増といった結果。
私が狙っているのはもちろんMTB用のDEORE Di2ですから、どうやら電動化による重量増は避けられそうにありません。

正直なところ、MTB用はフルワイヤレス故にケーブル類が一切不要になりますし、シフトレバーの構造もよりシンプルになるため、リアディレーラーの増量分を帳消しに出来るのでは?
そう思っていたのですが、MTB用はバッテリーをリアディレーラーに直接取付けるオンボード仕様な上に、それを保護するカバーや防護機構が必要になるため、機械式よりも100g程度は重くなってしまうとのこと。
また、フロントシングルが当たり前になったMTBではシフトケーブルの総寸が160cm程度となり、エンドキャップなどの小物を含めても重量は70g程度にしかなりません。
興味深いことに最も効果が薄いのがシフトレバーで、MTB用は元々小型でシンプルなせいかレバーがスイッチ化しても軽量化の恩恵は僅かという顛末。

さて、気になるDEORE Di2の重量は以下の通り。
●DEORE Di2 リアディレーラー ロングケージ 12スピード
【RD-M6250-SGS】重量496g ※バッテリー込
●DEORE Di2 シフトスイッチ
【SW-M6250-IR】重量89g ※I-SPEC EV版
フルワイヤレスなのでリアディレーラーとシフトスイッチだけというシンプルさで、総重量は585g前後となります。
因みに、対応するバッテリーは【BT-DN320】で単体での重量は約23g、あとシフトスイッチにはボタン電池の【CR1632】をふたつ使用するため、総重量には3.6gほどプラスされることに。
システム全体でおよそ590gとなる訳ですが、お値段は何と70000円ナリ!
DEOREさん……君はたしかエントリーグレードだったよね?
精々50000円くらいだと思ってましたが、時代を感じる価格設定に少し驚かされました。
重量とか気にしている場合じゃないかも。

続いて機械式のDEOREを見てみると、あら不思議!組合せ次第では電動並みに重くなってます。
●DEORE リアディレーラー ロングケージ 12スピード
【RD-M7200-SGS】重量429g
●DEORE リアディレーラー ロングケージ 12スピード
【RD-M6200-SGS】重量360g
●DEORE シフター 12スピード
【SL-M6200-IR】重量133g ※I-SPEC EV版
同じDEOREに二種類のリアディレーラーが存在していて混乱しますね、しかもRD-M7200-SGSは外観をDi2版に寄せている上に429gと重量差も僅か。
それに対してRD-M6200-SGSは360gと軽量で、機械式のDEOREならこちらを選ぶのが良さそう。
一応、同じDEOREでもRD-M7200-SGSの方がスタビライザー機能が強化された上位版となりますが、Di2への乗り換えを促す目的で意図的に重くしているのでは?と邪推したくなりますね。
軽量な組合せなら重量は493g、それにケーブル類の重量が加わって総重量は563gといったところ。
言うほど電動との重量差はありませんが、導入コストは実売価格で13000円と圧倒的。
電動変速に価格差5倍以上の価値を見出せるか否かがカギになります。

ついでにこちらも、一世代古い製品ですが個人的にシマノ製コンポでMTBを12速化するなら良い落しどころだと思っているのがSLXグレードでしょうか。
●SLX リアディレーラー ロングケージ 12スピード
【RD-M7100-SGS】重量310g
●SLX シフター 12スピード
【SL-M7100】重量130g ※I-SPEC EV版
シマノ公式ページでは隅に追いやられていて見つけるのもひと苦労ですが、SLXはまだギリギリ現役のコンポ。
リアディレーラーの軽量さが目を引き、ケーブル類を含めた総重量は510g程度。
実売価格はこちらも13000円くらいと手が届きやすく、DEORE Di2を知る前まではこちらに乗り換えるつもりでいました。
SLXとDEORE Di2の重量差は80gとこちらも思ったほど違いはありませんが、やはり価格差は5倍以上です。
因みに、機械式で最上位グレードのXTRはケーブル類を含めて総重量が430g程となり、Di2版との重量差は160gと無視できない値に。
XTRグレードでも実売35000円くらいで揃いますから、本当に電動変速に何を求めるかが問われそうです……
余談ですが、ご存知の通りファットバイクは冬に主役になる自転車。
流石に無いとは思いますが、スマホと同じように氷点下の気温でバッテリーが不活性化しないかと、若干心配になる側面も。

最後になりますが、電動変速のリアディレーラーは高価な買い物になるだけに盗難リスクが気懸り。
機械式よりも危ういのは間違いなく、携帯工具があれば最短60秒で取外しが可能です。
ディレーラーケージにチェーンが通っているから大丈夫でしょ?
そう思うかも知れませんが、3mmヘックスでテンションプーリーを緩めてディレーラーケージをずらすと、チェーンを切らずにリアディレーラーだけを外すことができます。
携帯工具には大抵5mmと3mmのヘックスレンチが備わっていますから、ぶっちゃけプロの窃盗犯じゃなくても簡単に持ち去りが可能なのが怖いところ。
最初からミッシングリング用ツールを持っていれば更に取外しは容易ですから、盗難リスクは価格や重量以上に導入への障害になってしまうかも知れませんね。
スマホと連動しているため、盗難後にリモートでロックできたりアクティベーションによる動作認証を必須にするといった防犯機能に期待したくなりますが、それはまだ先の話。
スラム製にもシマノ製にもそういった機能はまだ実装されておらず、シリアル番号によるネットワークロックすら存在していないとのこと。
現時点では特殊な穴形状をした「弄り止めボルト」に交換するしか対策のない危うい状況ですが、思い切ってホットボンド等で六角穴を塞いでしまうのも手でしょうか。
一応、八幡ねじという会社からは「いたずら防止埋込みキャップ」という六角穴を物理的に塞ぐ製品もリリースされているので、試してみる価値はあるかも。
うろ覚えですが、5mmの六角穴にならM6ボルト用がフィットした筈。

