少し前に予告めいたことを記しましたが、久々にグラベルロードをカスタマイズ。
とはいえ、単にバーテープを交換するだけなので、そこまで大袈裟な物ではありません。
現在使用しているのは極厚5mmのバーテープこと、BIKE RIBBONの「CICCIO/チッチョ」
一年半ほどの付き合いとなり使用感も上々でしたが、如何せんライズ付きドロハンとの相性が良くありません。
SURLYの30mmライズ付きドロハン「TRUCK STOP BAR」で使用した際に、傾斜のあるライズ部分を跨ぐようにバーテープを巻くと、高確率で緩みが発生しました。
CICCIO/チッチョは昔ながらの糊つきバーテープなこともあり、この傾斜部分に耐える十分な粘着力を発揮できず、気温の上がる夏場は特に顕著です。

一応の対策として、バーテープの長さを詰めた上で市販の両面テープによる裏打ちで低下した粘着力を補強。
残念ながらそれでも一時しのぎに過ぎないため、エンドテープでぐるぐる巻きにするという、力技すぎる方法で延命中。
ご覧の通り、現状は大変みずぼらしい姿になっていて、夏の気温によりエンドテープすらもグズグズです。
流石に不精が過ぎたと反省し、ようやくバーテープの交換を決意することに。
ゲル入りバーテープことBBB「グラベルリボン」の仕様・詳細

随分前から、次に使うなら絶対にコレ!
そう決めていたのが、BBBのゲル入りバーテープ「GravelRibbon/グラベルリボン BHT-16」です。
私は経年劣化に強く長寿命なシリコン製バーテープを好むものの、非シリコン系で高評価だったグラベルリボンの使用感がずっと気になっていました。
グラベル用のバーテープでしかもゲル入り、おまけに巻き直し可能な糊なしタイプとCICCIO/チッチョの後釜として申し分ありません。
シリコン製にも後ろ髪引かれましたが、総じて高価なのとバーテープとしては少しばかり重いのが、今回購入に至らなかった理由でしょうか。

パケ裏を確認してみると、長さ2000mmで幅30mm、厚さ3.5mm、素材はPU製との表示。
厚みが3.5mmなので中厚手のバーテープに該当しますが、実寸は4.2mm厚との報告もあり、カタログ値よりも若干厚めの仕上がり。
素材はPU/ポリウレタン製なので経年劣化は免れず、寿命は2~3年ほどでしょうか。
この点はどうしてもシリコン製に劣ってしまいますが、2年も持てば十分という見方も。
今回は無難にブラックを選択、カラーバリエーションは3色で他にグレーとクリーム色のサンドイエローもラインナップ。
気になる価格は実売¥4000前後となり、ここ数年で¥1000ほど値上がりしています。

余談ですが、BBBには他にもゲル入りバーテープのラインナップがあり、仕様が少しだけ差別化されています。
ロード用で3.5mm厚の「RaceRibbon」
リフレクト素材を含み2.5mm厚の「ReflectRibbon」
グラベルリボンよりも薄い2.5mm厚の「FlexRibbon」
これらの三種類が姉妹品となり、グラベル以外にも対応可能。
ロード用のレースリボンは表面素材がグラベルリボンよりも滑らかに加工され、リフレクトリボンは文字通りバーテープが暗闇でリフレクター化する安全仕様。
フレックスリボンはグラベルリボンと仕様のよく似た製品で、ゲル入りでも握り径を小さくしたい方やホワイトを含むカラーバリエーションの豊富さを望む方向けの製品となります。

早速グラベルリボンを開封してみると、中身は画像の通り。
バーテープ本体・エンドキャップ・隠しテープ・フィニッシュテープの四種類が同梱され、マニュアルの類は見当たりません。

某所のレビューによると、同梱されたフィニッシュテープの評判が良く、バーテープと同様の表面加工が再現された統一感のある作り。
私は別の記事でも紹介した、DENKA/デンカのハーネステープ「ビニテープ #234W」をフィニッシュテープとして愛用していますが、これだけ質感が良いなら純正品を使ってみたくなりますね。

さて、グラベルリボンを購入した理由のひとつ、ゲル部分をチェック。
どうせ使わないので、隠しテープをめくって確認してみると、まさかの糊つきテープ仕様です。
あれ、やっちまったか……と事前の確認不足を悔やみますが、早とちりで一安心。

ロールになっているバーテープ本体を確認してみると、こちらは間違いなくゲル仕様でしっとりべとついた質感でした。
両者を比較するとハッキリとした違いがあり、粘着部分の幅も異なっています。
30mm幅のバーテープは両サイドが斜めにカットされていて、重ね巻きしても握りが太くなりづらい定番の作り。
BBB公式によると、このゲルは高い衝撃吸収性を実現すると共に、使用後に剥がしてもハンドル側に糊などの残留物が発生しない仕様とのこと。
もちろんゲル部分を含むバーテープ本体は伸縮性を備え、テンションを掛けたり緩めたりと調節しながら巻くことも可能です。

グラベルリボンの表面加工はこんな感じ。
滑り止めとして格子状のダイヤモンドパターンが採用され、見た目にも美しい仕上がりです。
一部のレビューによると、粘着性があるのでは?と錯覚するほど手のひらに対して高いグリップ性が発揮してくれるそうで、不整地も走るグラベル用には打って付け。
気になったので指で表面を撫でてみると、テープの上下左右方向に沿って撫でた時よりも格子状のラインと同じ斜め45度で撫でた時の方が摩擦を強く感じます。
バーテープを巻く際は少なからず斜めになりますから、この摩擦が適度に活かされることになるのでしょうか。

ゲル入りなので重さが気になりますが、バーテープひと巻きの重量はジャスト50g
エンドキャップを含めても52gでした。
現在使用しているCICCIO/チッチョが37gなので交換により微増となりますが、ゲル入りでこの重量ならむしろ軽い方ですね。
巻き始めにひと工夫、糊なし・厚手バーテープを巻く際の小技

バーテープの巻き方については、いくらでも解説しているページがあるので、そこはバッサリと割愛。
そもそも人に教えられるほど上手くありませんし、むしろ自信を持ってドヘタだと言えるレベル。
今回少しだけ触れておくのはバーテープの巻き始めについてで、大抵の方はセオリー通りバーエンドから1cmほど出代を残すやり方をしているはず。
以前から気になっていましたが、このスタンダードな方法はシリコン製に代表される厚手のバーテープとは相性が悪く、最後の仕上げとしてエンドキャップを押し込む際に苦戦しがち。
バーテープの出代をハンドル内部に巻き込もうとしても思うようにいかず、エンドキャップごとプラハンで押し込むなんて力技も。
シリコン製のバーテープを好む私としては、何とかならないものかと常々思っていましたが、非常にシンプルな解決策がありました。

これは某サイクルショップの動画で偶然知ったのですが、そもそも1cmの出代に拘る必要は全く無いそうで、テープの裏側全体が糊の役割を果たすシリコン製なら、別の巻き方を試したほうが綺麗に仕上がるとのこと。
やり方は画像のようにバーエンドのキワを基準にして巻き始めるだけで、厚手ゆえにエンドキャップの縁とも勝手にツライチになってくれる場合が殆ど。
今回使用したグラベルリボンは普通のバーテープ寄りな作りなので出代を巻き込んだ一般的な処理も可能ですが、厚手のシリコン製バーテープを好む方は覚えておいて損はありません。
因みに、グラベルリボンの場合はテンションを掛けてバーエンドを一周させてから巻き始めるくらいが丁度良かったですね。
グラベルリボンはシリコン製でも極厚でもないので、普通に巻いた方が綺麗に仕上がったでしょうけど……
中厚手でも振動吸収性は上々!BBB「グラベルリボン」の使用感について

ヘタ過ぎてお目汚しですが、何とかBBBのグラベル用バーテープ「GravelRibbon/グラベルリボン BHT-16」への交換が完了。
気になる使用感はゲル入りだけに5mm厚のCICCIO/チッチョと比べても遜色なく、振動吸収性も期待通りでした。
握り径は若干細くなった感覚があるものの、実寸が4.2mm厚なだけにどちらかと言えば厚手寄りな印象ですね。
指先で撫でた時には気付きませんでしたが、グリップ力はレビューにあった通り粘着性があるかのような喰い付きっぷり。
とはいえ素手でも強グリップによる痛みや不快感は無く、しっとりと馴染むような握り心地でしょうか。
バーテープを別の物に交換した際は少なからず違和感が出るはずですが、このバーテープは直ぐに馴染んでくれるため、逆に感想に困るほど。
まだロングライドでは試していないのでベタ褒めは避けますが、グラベル用のバーテープとしては全方面で卒なく仕上がった良品ですね。
実際に使ってみると、人気があるのにも納得でした。
まとめ
BBBのグラベル用バーテープ「GravelRibbon/グラベルリボン BHT-16」を試してみましたが、最後に交換中に気付いたことを幾つか。
シリコン製バーテープのように何度でも巻き直しができることに期待していましたが、ゲル部分はクッション材と糊を兼ねるような質感になっているため、過度な期待は禁物。
特にテンションを掛けて巻いた場合だと巻き直しが出来るのは精々二回くらいで、力任せに剥がそうとするとゲル部分が下地のとなったダイヤモンド側に持っていかれてしまうので注意が必要。
また、巻きやすいか巻きづらいかという基準で判断するなら、間違いなく巻きやすいバーテープの部類ですね。
個人的に最も評価したいのが付属のフィニッシュテープで、使用感が抜群に良かったです。
丁寧に扱えば巻き直しや再利用も可能ですし、ストレッチ性も十分。
おまけに表面素材の質感がバーテープ本体と共通なので、仕上がりの一体感にも大満足でした。
このフィニッシュテープだけ、汎用タイプとして別売りして欲しいくらいですね。