靴底が傷まず回転も良し!MKS『LAMBDA/ラムダ』ぺダルの感想

靴底が傷まず回転も良し!MKS『LAMBDA/ラムダ』ぺダルの感想イメージ01

少し前の更新でも触れましたが、ファットバイクのフラットペダルが寿命を迎えつつあります。

グリスアップして騙し騙し使い続けてきたものの、とうとう別れの時がやってきました。

頑張ってくれたクランクブラザース「STAMP1」を労いつつも、その後釜に選んだのは一風変わった見た目のフラットペダル。

正直、初めて見た際はその癖の強い外観が全く好みではありませんでしたが、実際に使ってみるとその評価が大逆転。

食わず嫌いはいけないと反省しきりですが、今回は靴底に優しいMKSのフラットペダル「LAMBDA/ラムダ」の詳細や使用感について話題にしてみます。

癖強なフラットペダル、MKS「LAMBDA/ラムダ」の詳細

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MKSこと三ヶ島製作所のペダルを購入するのはこれで二度目。

前回は汎用性と滑らか回転で人気の「ALLWAYS/オールウェイズ」でしたが、このラムダも長く支持されている人気のモデルですね。

カラーバリエーションはブラックとシルバーの二種類で、今回は無難にブラックを購入。

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パッケージ下部には「OFF ROAD」「CITY」の表記があり、街乗り用としても高い適性を備えています。

価格は税込6611円とオールウェイズよりも控え目。

実売価格は5000円前後となり、私もそのくらいの値段で購入できました。

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実はラムダと最後まで悩んだのが、こちらの製品。

FUNN/ファンがリリースしている「Taipan/タイパン」で、グラスファイバーで補強されたプラスチック製ペダルと前任だったSTAMP1との共通点も多く、ガリガリ摩耗しても心が痛まないのが個人的にお気に入り。

ペダルは簡易のスタンドとしても酷使されるパーツなので、雑に扱える物の方が気が楽ですからね。

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通常サイズで重量380gの「Taipan」と小サイズで重量325gの「Taipan S」の二種類があり、アルミ製のラムダよりも軽量な点にも惹かれました。

また、スパイクピンの先端が丸く角を落とした形状になっているため攻撃性が低く、仮にペダルを踏み外したとしても脛に大ダメージを負うことがありません。

ピン高を調節すれば靴底にも優しくできるため最後の最後までラムダと悩みましたが、予算の関係で今回は購入を見送ることに。

使用感によってはラムダがグラベルロード用になる可能性もあるので、次に購入するなら軽量でサイズ感も好みな「Taipan S」が濃厚でしょうか。

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さて、早速開封してみると外観は冒頭でも触れた通りかなり個性的。

ペダルそのものの形状は銀行の地図記号でもある「分銅型」で、それ以上に目を引くのが密集した滑り止めの存在。

踏面サイズはW78 x L119mmで素材はアルミ製、縦長形状につきBBハイトの低い車種でもコーナリング時にぺダルを擦りづらいという利点も。

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ペダルの厚みは27mmで、メンテナンス時は上部のキャップを外して内部にアクセスします。

この画像では見えづらいですが、踏面側に切り欠きがありキャップ外すための専用工具は必要ありません。

回転部分にはカップ&コーン式のボールベアリングが採用されていて、メンテ次第で長く付き合える仕様。

初期状態の回転に不満がある場合は、キャップを外して好みのグリスに入れ替えたり玉当たりの調整も可能です。

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そして、ハッキリと好みがわかれるであろう滑り止め。

蓮コラが苦手な集合体恐怖症の方は、この画像を見るだけでも不快感を覚えるかも知れませんね。

一応、取外し不可なソフトピンという立ち位置になりますが、手で触れても怪我をするような鋭利さはなく、カジュアルシューズの靴底や自身の脛部分にも優しい仕様になっています。

流石に雨の日は若干滑りやすくなるそうで、ドリルで穴を開けてピンを追加される方もいるとか。

クランクへの取付けはペダルレンチ以外にも6mmの六角棒レンチが対応していて、スピンドルの根元にはR・Lのアルファベッドで左右の指定もされています。

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ペダルの前後側面にはリフレクターを標準装備。

街乗り用に使うなら安全に寄与する有難い装備なものの、オフロード用として使うなら少し野暮ったく感じるかも知れません。

因みに、リフレクターの左右にある六角穴ボルトを緩めると、踏面部分を3ピースに分割可能。

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この特徴を上手く利用しているのがBLUE LUGで、ショップ限定モデルとして「PAMBDA/パンダ」とよばれる白黒カラーのラムダペダルが販売されています。

ブラックとシルバーのふたつがあれば、自前でも簡単に組み換えが可能だそうですから、複数台持ちの私としては試したくなるカスタマイズですね。

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言い忘れましたが、リフレクターは特にネジ止めされておらず樹脂製の凸部分が踏面の凹部分に差し込まれているだけ。

走行中に脱落しない強度で固定はされていますが、工具で煽れば容易に外すことができます。

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気になる重量は、リフレクター有りが425gでリフレクター無しが414gとほぼカタログスペック通りでした。

私の用途ではリフレクターが蛇足に感じるため、残念ながらここでお役御免となります。

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ついでなので引退する「STAMP1」Sサイズとの比較。

STAMP1の踏面サイズはW100 x L100mmですから、ラムダはSTAMP1よりも横方向に2cm短く、縦方向に2cm長い作りになっているのがひと目でわかります。

また、ペダルシャフトを含めた横寸法もSTAMP1が120mmに対してラムダは110mmと短く、前述したようにコーナリングでペダルが路面に接触しづらくなるのは間違いなさそう。

踏面が前後に長く左右に短いのは、オンロード用フラットペダルによく見られる特徴なだけに、ラムダはオフロードよりも街乗りに向いた適性があるのかも知れません。

回転上々!グリップ上々!MKS「LAMBDA/ラムダ」の使用感について

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外出を躊躇うほどの猛暑の中、ラムダペダルの使用感を確かめるべく軽めの試走。

実際に車体に取付けてみると、ペダル形状や蓮コラスパイクの主張は意外にも控え目で、極太タイヤが主張しまくりなファットバイクだと逆に物足りなく感じるくらいです。

素材がプラ製からアルミに変わったせいか足裏にはカッチリとした剛性感があり、過去に使用していたALLWAYSを思い出す懐かしい踏み心地。

ペダリング時は特に違和感を覚えることもなく、攻撃性の低いソフトピンながら靴底にはしっかりとしたグリップ感もあります。

今回のペダル交換はSTAMP1に寿命が来たことが一番の理由ですが、それ以外にもカジュアルシューズにダメージを与えづらいペダルが欲しかったというのも一因。

最近のカジュアルシューズはミッドソールに軽量でクッション性に優れるEVA/エチレン酢酸ビニルが使われることが多く、これが少し厄介。

EVAは耐久性や耐摩耗性に劣るため、アウトソールにPU/ポリウレタンやゴム底を使うことで強度が補われているものの、靴底を満遍なく覆っている訳ではないため、ペダルを踏むには不向きな構造。

たとえショートタイプのソフトピンでも、剥き出しのEVA部分に触れてしまうと短時間で靴底がボロボロになってしまうことがあり、靴の寿命を確実に縮めてしまいます。

ラムダでもこの現象を完全に防ぐことはできませんが、ペダルと一体化した低く密集したソフトピンが上手く圧力を分散してくれるせいか、過去イチで靴底に優しい仕様ですね。

聞くところによると、ラムダは雪国では必須な冬靴のアウトソールとも相性が良いそうで、ファットバイク用として打って付けなのも魅力でしょうか。

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ミカシマ製ペダルと言うことで、気になるのが回転の滑らかさ。

ご覧の通り、ポン付けのままでも良く回り、新品のペダルにありがちな回転の渋さは殆ど感じません。

とはいえ、ハンドスピナーのように無抵抗で回転し続けるALLWAYSとは質が異なり、リアハブのラチェットに似た微かなノッチ感がある印象。

回転が軽い万能ペダル『MKS ALLWAYS』の感想イメージ10

ALLWAYSは回転が滑らか過ぎて、ペダルが勝手に倒立してしまう欠点がありましたが、ラムダはペダルを水平を保てる最低限の抵抗感があると言えばわかりやすいでしょうか。

トリプルシールドベアリングのALLWAYS、カップ&コーン式ボールベアリングのラムダ、この違いが回転の質に現れているものの、全く調整をしていない初期状態でこの回転なら十分に合格点があげられます。

私は愛車を撮影する機会が多いため、ペダルが倒立していない見た目の方が好みですが、ALLWAYS的な滑らか回転を求めるなら自前で玉当たりを調節するのが近道ですね。

まとめ

個人的に414gと少し重い以外は不満を感じなかったラムダペダルですが、最終的な評価は冬まで待ちたいところ。

ラムダは濡れた状態だと若干滑りやすくなると聞くので、雪に濡れた冬靴でこそ真価が問われます。

余談ですが、オフロード用として使うなら少しだけ踏面に横幅が欲しい……

そんな悩みに応えてくれる、社外パーツも存在します。

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Rivendell Bicycle Worksがリリースしている「Monarch pedal wings」がそれで、踏面サイズを横方向に20mm拡張できます。

素材は3Dプリンターによるプラスチック製だそうで、ラムダペダルはもちろんラムダのブラッシュアップ版となるGAMMA/ガンマにも対応し、重量はペアで135gほど。

残念ながら、日本では未発売なのでオークションやフリマサイトで偶に見掛けるくらいでしょうか。

幸い作り自体はシンプルなので、3Dプリンタや金属加工の技術をお持ちの方なら、自作も視野に入るかも知れませんね。

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