フロントシングルは短命、チェーンリングの寿命と交換の目安

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私事ですが、友人のロードバイク乗りから変速の調子がイマイチとの相談を受けます。

彼はいわゆる「乗り専」で、愛車いじりにはとことん疎いタイプ。

嫌な予感がしつつも彼のバイクを調べてみると、ひと目で原因がわかるくらいチェーンリングが摩耗していました。

そりゃ不調にもなるわ……

シャークトゥースとはよく言ったもので、フロントダブルのアウターギアがサメの歯のような鋭利さ。

こんなに擦り減るものなんだと驚嘆していると、走行距離が3万km超えと聞いて二度ビックリ。

結局、地元のサイクルショップに持ち込むことで事なきを得ますが、これだけ使い込んで貰えたらチェーンリングも気持ち良く成仏してくれるでしょう。

さて、この出来事が切欠になってチェーンリングが消耗品であることを再認識するのですが、実際の寿命がどれくらいなのかが気になるところ。

知人の場合は極端な例としても、交換時期の目安くらいは把握しておきたくなりました。

アルミ・スチール・チタン・カーボンとチェーンリングの素材も様々ですが、今回はチェーンリングの寿命や交換の目安となる症状について話題にしてみます。

素材別に見た「チェーンリング」の寿命・走行距離

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チェーンリングの寿命を素材別にまとめると、それぞれの走行距離は以下の通り。

【アルミ製】5000~20000km

【スチール製】10000~30000km

【チタン製】15000~40000km

【カーボン製】5000~15000km

早ければ走行距離5000kmで寿命を迎えるアルミ製チェーンリングの短命さが目を引きますが、これにはちょっとした事情も。

後述しますが、同じアルミ製でもフロントマルチとフロントシングルでは摩耗度合いに違いがあり、寿命の振れ幅が大きくなります。

また、カーボン製のチェーンリングは歯の部分だけアルミ製になっているハイブリッド式が主流で、寿命はアルミ製とほぼ変わりません。

因みに、重量はカーボン<アルミ<チタン<スチールの順で重くなり、耐摩耗性はちょうど真逆の順番になります。

走行距離だけ見るとチタン製が最も長命ですが、摩耗に対してはスチール製の方が強く、チタン製はスチール製よりも耐食性に優れる点が評価されている印象ですね。

冒頭で触れた友人のチェーンリングはシマノ105クランクのアルミ製でしたから、交換目安を1.5倍以上も超過していたことになります。

ロード用コンポはフロントダブルが主流ですから、アウターギアとインナーギアにバランス良く負荷が分散したのが長寿の秘訣だったのかも知れません。

チェーンリングの寿命、フロントシングルが短命な理由

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いきなり結論からぶっちゃけると、フロントシングルのチェーンリングは寿命が短いです。

フロントダブルなら二枚に分散する摩耗が、一枚のチェーンリングに集中する訳ですから、単純な話ですね。

また、フロントシングルとリア11速・12速の組合せも短命化の一因で、ロー側やトップ側でチェーンが斜め掛けの状態になるため、チェーンリングの摩耗に拍車が掛かります。

フロントダブルなら無理のないチェーンラインを保つこともできますが、フロントシングルは俗に言う「チェーンの襷掛け」が無自覚に行われてしまうため、チェーンリングには間違いなく優しくありません。

おまけに、チェーン落ちを防ぐナローワイドタイプはチェーンとチェーンリングが密に噛み合うため、歯が削れない方が不自然なくらいです。

前述の通り、アルミ製チェーンリングの寿命は早ければ5000kmほど。

この走行距離はあくまでも短命だった場合ですしマウンテンバイクなら特に問題になりませんが、ロードバイクやグラベルロードなら半年で超過することも珍しくありません。

ロードバイクでフロントシングルを選ぶ方はまだ少数派なものの、私も含めてグラベルロードはフロントシングルの方も多いので、少し気に留めておきたい内容でしょうか。

交換の目安は?摩耗したチェーンリングで起こる症状

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摩耗による一番わかりやすい変化は、上画像のようにチェーンリングの歯が鋭角になってしまうことです。

海外では俗に「Shark Tooth/シャークトゥース」と呼ばれ、交換が必須な末期状態と見て間違いありません。

目視で確認できる変化以外にもチェーンリングの交換を教えてくれる予兆があり、フロントの変速がスムーズに決まらなくなるのがその典型例。

歯が摩耗したことにより変速ポイントが機能不全になり、シフターを操作してもなかなかチェーンが上がらなかったり、下がらなかったりします。

また、さらに摩耗が進むとチェーンが頻繁に歯飛びを起こすようになり、ペダルを強く踏み込んだ際には足から一瞬だけトルクが抜けるような空回り感を味わうことに。

因みに、この症状はチェーンが滑るとも言いますが、歯の摩耗だけでなくチェーンが伸びても発生するとのこと。

流石にシャークトゥース状態になると大抵の方は交換時期だと自然に気付きますが、フロントダブルなら変速不良、フロントシングルならチェーンの歯飛びが出始めたら交換のサインです。

前述した走行距離を目安するのはもちろんですが、チェーン寿命の二倍がチェーンリングの寿命という大雑把な判断方法もあるそうで、二回目のチェーン交換のタイミングでチェーンリングも一緒に交換してしまうのも手でしょうか。

うろ覚えですが、クランクを動かないように固定して、チェーンを摘まんで後方に引っ張っぱる。

この際に、チェーンリングからチェーンが1mm以上浮き上がったらチェーンが伸びているかチェーンリングが摩耗している可能性大。

そんなチェック方法もあったような気が。

まとめ

チェーンリングの寿命や交換の目安について話題にしてみましたが、フロントダブルやトリプルなら素材がアルミ製でも摩耗に対してあまり神経質なる必要は無さそうです。

とはいえ、フロントシングル、ナローワイド、リア11速・12速、この三要素を満たしている場合に寿命が短くなるのは確かで、チェーンリングもれっきとした消耗品である自覚は持っておきたいところ。

私のグラベルロードはもろにこの条件にあてはまり、リア11速のトップ側やロー側でGRXのチェーンリングがゴリゴリ削れているのを肌で感じますね。

フロントシングルでチェーンリングを長持ちさせるには、チェーンに付着した汚れや砂を小まめにクリーニングして注油を心掛け、チェーンラインが自然なミドルギアを多用するのが良いそうです。

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