私もその一人でしたが、ママチャリに代表される軽快車から本格的なスポーツサイクルに乗り換えると、高確率で仏式バルブの洗礼を浴びます。
フレンチバルブやプレスタとも呼ばれますが、専門店で自転車を購入すると店員さんが懇切丁寧に使い方を説明してくれたりしますね、大抵は納車の高揚感から話がまったく耳に入らず、帰宅してから『あれ、どうやるんだっけ?』なんて慌てたりしますが。
さて、バルブの開放や空気の入れ方は無事マスターできたものの、お次は新品の自転車や未使用のチューブに備え付けの『バルブキャップ』との微妙な関係が始まります。
あらかじめ備わっているパーツだけに、最初の内は無くしてしまわないように気を配ったりしますが、このバルブキャップ…プラ製ゆえに割れたりネジを舐めたりと破損が絶えません。
当たり前のように取付けられいるので、何らかの意図があって存在していると思い込みがちですが、実は本来の目的は使用前のチューブを鋭利なバルブ先端から保護する目的で取付けられています。
あくまでも一時的なものなので、あの貧弱さも納得ですね…新品のリモコンに貼り付けてある保護フィルムみたいな物でしょうか。
一応、別売りでアルミ製の丈夫なバルブキャップも存在していますが、こちらはバルブ先端の折れ曲がりや破損を防いだり、愛車をドレスアップするデコレーションとしての役割が殆どです、バルブ先端をカバーしてくれるのでバルブ先端の汚れ防止にも多少は役立ちますが、仏式バルブは素のままでもバルブの汚れや詰まりを気にする必要がない構造になっています。
少しでもホイールを軽量化したい、ホイールバランスにも拘りたい、といった手練れの自転車乗りはバルブキャップを付けていないことが多く、路上で見掛けると『コイツできるな…』的な玄人臭が感じ取れますが、ゆるチャリ乗りの私はバルブキャップを当然『つける派』ですね。
無茶苦茶長い前置きでしたが、ここからが本題です。
先日、チューブレス化した29erプラスをメンテナンス中にプラ製バルブキャップを踏み潰してしまう痛恨のミスを犯します、前述した通り本来は必要ない物なので、まあいいか…で済ませるつもりでしたが『つける派』の私だけに妙な後味の悪さを感じます。
結局、破損しづらいアルミ製バルブキャップを購入することにしましたが、今回はチューブレスバルブ用ということで、バルブコア取外しツールが備わったパナレーサー製をチョイスしてみました。
あると便利?Panaracer/パナレーサー製バルブコアツール付きバルブキャップ
今回購入したのがコチラ、Panaracer/パナレーサー バルブコアツール VCT-2です、製品名にバルキャップという記述が無いせいか、普通にバルブキャップを探しても見付けづらかったですね。
ふたつセットで価格は送料込みで¥600弱でした、スモールパーツはメール便が使えるので助かります。
同梱のマニュアルを確認してみるとバルブキャップは貫通した構造になっていて、穴が楕円形になった上側をバルブコアツールに穴が正円になった下側をバルブキャップとして使う仕組みです。
見分けが付きづらいく取付けの際に間違えそうですが、Panaracerの『P』の字が頭になる方向がバルブキャップとしての正位置ですね。
カラーバリエーションはシルバー・ブラック・ブルー・ピンク・ゴールドの五色で、今回は無難にブラックを選びました。
形状は六角柱になっているので、レンチ等に対応しているのかも知れません。
マニュアルに記載があった通り穴の形状には違いがあり、片側がバルブキャップ、反対側がバルブコアツールと、単体で二通りの機能を果たします。
チューブレス化していると、フロアポンプでのビード上げやシリンジでシーラントの注入で、頻繁にバルブコアを外す機会がありますが、チューブドではあまり馴染みの無い行為かも知れませんね。
バルブコアツールを使うと対応チューブのバルブ先端を簡単に取外すことが出来ます。
こんな風に穴が楕円形になっているバルブコアツール側をバルブ先端に差し込んで、あとは半時計方向に回転させるだけです。
チューブドだと、使う機会がないんじゃない?と思うかも知れませんが、空気がスカスカ抜けるようになるのでチューブから短時間かつ簡単に空気を抜くことができます。
出先でパンクして予備チューブを使った後でも、もう一度コンパクトに折り畳み直せたり、チューブ内にパンク防止剤を注入する際にも便利ですね。
ぶっちゃけ、ラジオペンチでも代用できますが、極太のファットバイクやセミファット用チューブをコンパクトに折り畳む際は、特に有難く感じます。
試しに本来の29erプラスにではなくミニベロに取付けてみます、現在ミニベロにはディズナのアルミ製バルブキャップを使っていますが、昔の鉛筆用キャップのような癖のないデザインが気に入っています。
デザインが無骨なので外観の良さはディズナ製に及びませんが、取付けイメージはこんな感じになりました、ただでさえ無くしやすいバルブコアツールなだけに、バルブキャップと一体化してしまうのは悪くないアイディアかも知れませんね。
まとめ
その気になれば歯や割りばしでもバルブコアを外せますが、愛車をチューブレス化していてバルブキャップを『つける派』の方には、なかなかオススメのアイテムかも知れません。
そんなトラブルは滅多に無いと思いますが、出先でチューブレスタイヤにシーラントを注入する必要が出た場合でも、ビードを開くよりも遥かに簡単に対応できてしまいます、もちろんタイヤ一本分の予備シーラントを携帯していればの話ですが。