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中古を狙え!はじめてのファットバイクにユーズド品を薦める理由

中古を狙え!はじめてのファットバイクにユーズド品を薦める理由イメージ01

成人してから初めて購入した自転車は癖の強いファットバイク。

複数の自転車を所有する現在でも、それが私の原点だという自覚があるため、どうしてもファットバイクびいきになりがちですね。

普段はあまりファットバイク布教の手助けになるような記事は書きませんが、今回はファットバイクに興味を持った方向けにアドバイス的な内容をお伝えできればと思います。

タイトルからもお察しいただけるように「はじめてのファットバイクは中古を狙え!」がテーマ。

どうして中古がオススメなのか?

実のところ、ファットバイクは「熱しやすく冷めやすい」自転車なんです。

ファットバイクはそのインパクト抜群な外観から一目惚れで購入される方が多く、実際の運用イメージが不確かなまま衝動買いしてしまうケースも珍しくありません。

興味本位で購入してみたものの、ファットバイクの走破性や乗り心地を一通り体験しただけで満足してしまい、気がつけばガレージの隅で二軍扱い、最終的には全く乗らなくなって中古市場に放流……そんな顛末になりがち。

とうのファットバイクからすると甚だ不本意でしょうが、こういった部分に私が中古を薦める理由の多くが潜んでいます。

はじめてのファットバイクに「中古」を薦める理由。

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最初に断っておきますが、最近人気の20インチ電動ファットバイクは事情が異なるため対象外。

また、ここで言う中古とは古物商許可証を得たリサイクルショップや中古自転車店だけでなく、オークションやフリマサイト等の個人売買も含みます。

前置きはこれくらいにして、早速私が中古を薦める理由を幾つかお伝えしていきましょう。

理由【1】状態の良い車体が多い

冒頭の前振りで何となく察しているとは思いますが、中古で出回っているファットバイクには美品が多いです。

熱しやすく冷めやすい自転車という不名誉さがポジティブに働いた結果ですが、走行距離500km以下なんてのはざらで、数回乗っただけといった新品に近い車体もオークションやフリマサイト等で頻繁に見掛けます。

また、これはファットバイク特有の現象ですが、飲食店やアパレルショップを飾るオブジェとして使われていたなんて車体もあり、全くタイヤノブが減っていない未走行車が安価で手に入る場合も。

逆に、状態の悪い車体は雪道やトレイルでハードに走り込まれた痕跡が目立ち、フレームの傷だけでなく水分や融雪剤の影響で各パーツに錆が出ていたりしますね。

理由【2】見た目に反して価格が控えめ

大柄な車体から高価そうなイメージが伴うファットバイクですが、仮に新品で購入したとしてもロードバイク・フルサスMTBよりもずっと安価。

実質、サス無しフルリジットのMTBにデカいホイールとタイヤをくっつけただけのシンプルな構成なので、クロスバイク以上グラベルロード未満な価格帯に落ち着いている場合が殆どでしょうか。

中古だとそれに拍車が掛かり、そこそこ名の通ったメーカーの車体でも15万円前後で入手可能。

運が良ければフリマサイト等でカーボンフレームの車体が同価格帯で手に入るなんてこともあり、SURLYやSALSAなどの一流どころを除けば、購入のハードルはそれほど高くはありません。

理由【3】規格がほぼ完成されている

中古だと規格や装備が古いのでは……そんな不安を感じるかも知れませんが、現行のファットバイク規格は2018年頃に完成されていて、この時期以降のモデルを目安にすれば大きく失敗することはほぼありません。

ファットバイクの進化は非常に緩やかで、ここ数年であった最も大きな変化は27.5インチホイールの車体が登場したくらいです。

規格で一番注意すべき点はフレームのエンド幅に関してで、特別な理由が無い限りはフロントエンド幅150mm、リアエンド幅197mm、前後ともにスルーアクスルの車体を選びましょう。

これに加えてフレームクリアランスが前後共に26 x 4.8インチのタイヤに対応していればそれで十分、後々27.5インチホイールで運用することも可能になります。

あとは、フロントシングルか否か、11速か12速か、フロントサスペンションの有無などで、その辺りはお好みでどうぞ。

理由【4】国内では手に入らないモデルが見つかる

この理由はレアケースなので例外扱いしても差し支えありませんが、国内では販売されていないファットバイクが中古市場に出回ることがあります。

国内のファットバイク市場は2018年前後にピークを迎え、その後はコロナ禍を経て瀕死状態に。毎年リリースしてくれるメーカーは数えるほどで、本場米国との温度差がかなり大きくなってしまいました。

前述した27.5インチファットバイクが良い例で、TREKなどは本国で27.5 x 4.5インチのモンスターファットをリリースしているものの、日本国内ではファットバイク自体のリリースが数年前からストップしている有様。

恐らく、熱心なファットバイク愛好者が個人輸入や購入代行を利用して手に入れた車体だと思いますが、稀に国内では入手困難なモデルが見つかることがあります。

中古ファットバイクを選ぶ際の注意点

括りとして中古品に手を出す際の覚書を幾つか。

これはオークションやフリマサイト等の個人売買で特に注意すべき点ですが、車体の防犯登録が抹消されいるか否か、譲渡証明書を発行してくれるか否か、この二つをしっかりと確認した上で購入しましょう。

これらが満たされていないと、手元に届いた車体がお住いの地域で防犯登録できないなんてトラブルも。もちろん車体ナンバーが削り取られているような怪しい車体は問答無用で購入候補から外すべし。

また、本格的なスポーツサイクルをはじめて購入される方や、自分で自転車を弄らない俗に言う「乗り専」の方は中古ファットバイクを選ばない方が無難です。

不具合やちょっとしたカスタマイズでもサイクルショップのお世話になる可能性が高いため、よほど懇意にしているサイクルショップだったり自転車に詳しい知人でもいない限りは、最寄りのサイクルショップで新品を購入したほうが良いですね。

色々とアドバイスもしてくれるでしょうから。

それでも新品が欲しい方へ「コスパの良い本格ファットバイク」3選

やっぱり新品じゃなきゃイヤ!

そんな方向けにコスパに優れるファットバイクをついでに紹介してみます。

個人的にホームセンター等で販売されいる安価な街乗り用ファットバイクでも、タイヤ次第で雪道やグラベル程度なら走れてしまうため判断に迷いましたが、「御注意シール」の有無で線引きさせてもらいました。

「この自転車は一般(普通)道路専用です。悪路、荒地での使用は絶対に止めましょう。」

こういった記載がある「御注意シール」がフレームに貼られていたら、それは街乗り用のファットバイクでお山を走っては駄目なヤツです。

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トップバッターはここ数年で知名度を増したXDSのファットバイク。

新興の中華メーカーが手掛けるファットバイクで、時期によってはエントリーモデルが実売10万円を下回ることも。

変速こそ10速止まりですが、アルミフレーム、油圧式ディスクブレーキ、フロントエンド150mm/リアエンド197mmのスルーアクスル、最大タイヤクリアランスが26 x 4.9インチ、フロントシングルなどなど、現在のファットバイクに求められる要素が卒なく採用されいます。

2022年頃からスポーツ車メインのサイクルショップでも取扱いが増え始め、この先ファットバイクのゲートウェイ的な存在になるかも知れません。

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お次はKHSのファットバイクことATBシリーズ。

先述のXDS製が登場する以前は、ファットバイクの低価格モデルとしてこちらのKHS製がよく知られていました。

エントリーモデルでもXDSと同じくしっかりとツボを押さえた仕様になっていますが、ファットバイクの顔ともいえるホイールのカラーやデザインはこちらが圧勝している印象。

XDSと同価格帯の13万円程度なのに変速が9速止まり、ディスクブレーキも油圧ではなく機械式なのが残念ですが、このホイールの魅力に比べれば些細な問題かも知れません。

また、KHS製は対面販売が原則なので、はじめて購入する方はこれを機会に最寄りの取扱店との繋がりを作っておくのも手です。

うろ覚えですが、数年前に日本の自治体が災害時の移動手段としてKHS製のファットバイクを大量注文したという報道がありましたね。

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トリを飾るのは、KONAのファットバイク。

ファットバイク斜陽の日本国内でも、毎年欠かさすリリースしてくれる有難いブランドですね。

ぶっちゃけ、グレードは前述の2製品と比べて1~1.5段階上位の製品となり、価格もエントリーモデル「WO」で10万円台後半となります。

エントリーモデルとしては若干値の張るファットバイクですが、同じファットバイクでもKONA製くらいからリセールバリューに差が出てくる印象。

冒頭から何度も触れている通り、ファットバイクは熱しやすく冷めやすい自転車です。

勢いで新品を購入してみたものの、自分には合わなかった……

そんな時にはリセールバリューの高さを活かして、金銭ダメージを最小限に抑えてくれるでしょう。

ファットバイクと長く付き合うコツ

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最後にオマケとしてファットバイクと長く付き合うコツのような物を少々。

ズバリ、細いタイヤが使えるホイールを準備すること!

これに限ります。

割と暴論ですし車体とは別に10万円程度の追加出費を覚悟しなければなりませんが、二軍落ちどころか三軍落ちしがちなファットバイクの稼働率を飛躍的に向上させてくれます。

27.5インチないし29インチ径のホイールで、2.8インチ幅くらいのタイヤが対応するリムが望ましく、ファットバイクの外観が貧相に見えないギリギリのサイズ感。

この仕様を満たす完組ホイールは中華製のカーボンホイールくらいしか選択肢が無いため、大抵は自分で手組するかサイクルショップに依頼するかの二択になりますが、試してみる価値は十分すぎるほど。

タイヤ次第ではオンロードでもそこそこ快適に走れるようになりますし、ファットバイクが季節を選ばずに楽しめるようにもなります。

ほんの一例ですが、27.5インチホイールなら、タイヤは「SCHWALBE SUPER MOTO-X 27.5 x 2.8」の組合せ。

29インチホイールなら、タイヤは「Bontrager XR2 Team Issue 29 x 3.0」の組合せがオススメですね。

まとめ

珍しくファットバイクを布教するような内容でお送りしましたが、私がはじめてファットバイクを購入する人だったとするなら、KONA製の中古かスペシャライズド「FATBOY」の中古を選ぶ可能性が高いです。

因みに、記事内であれだけ中古を薦めておきながら、私が最初に購入したファットバイクはマングース社製の新品でした。

当時はファットバイク斜陽の現在よりも更に選択肢が限られていて、中古ファットバイクも殆ど出回っていないご時世でしたからね。

初代のファットバイクには自転車整備のイロハを学ばせてもらいましたが、その六年後に中古のSALSA製カーボンファットバイクに乗り換えて、現在に至ります。

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