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20インチが充実?街乗り向きなファットバイク用スリックタイヤ一覧

20インチが充実?街乗り向きなファットバイク用スリックタイヤ一覧イメージ01

スポーツ自転車としては、かなりニッチなジャンル。

どれだけの方が目を通して下さるのかは不明ですが、久しぶりにファットバイクの話題をお届けします。

ファットバイクと一口に言っても、古くからある26インチから20インチが主流の電動ファットバイクまで、種類は様々。

共通するのは幅10cm前後の極太タイヤが使われていることで、走破性の高さと乗り心地の良さが魅力です。

さて、ここからが本題。

半年前にバラ完したグラベルロードに少しばかり飽きはじめていた私は、シーズオフにも関わらずファットバイクで舗装路を爆走したくなる衝動に駆られます。

ノブ付きのタイヤでそのまま走っても良かったのですが、どうせならということで久々にファットバイク用のスリックタイヤを物色する流れに。

『ファットバイク用ホイールへのパーツ取付・セットアップ』イメージ15

ファットバイク用のスリックタイヤは、以前に大定番のSURLY「BLACK FLOYD/ブラックフロイド」を愛用していましたが、この製品は既に廃番となっていて、再入手は極めて困難。

仮にオークション等で入手できたとしても、製品寿命は幾ばくも無い可能性が高いです。

となると、自ずと白羽の矢が立つのが双璧を成すVEE「SPEEDSTER/スピードスター」な訳ですが、市場に製品は出回っているものの、本家HPのラインナップからは綺麗さっぱり消えていました。

辛うじて、VEE TIREの日本版HPには今まで通りラインナップされているのですが、以前は他のタイヤも含めて本家の方が種類や情報が充実していただけに、どうにも腑に落ちません。

さらに深掘りしてみると、VEE 「APACHE FATTY SLICK/アパッチファッティスリック」という、丸坊主のスリックタイヤもいつの間にかラインナップから消えていて、そこはかとなくファットバイク用スリックタイヤに冬の時代が訪れている気配が。

流石に、VEEご自慢の大ヒットタイヤなだけにSPEEDSTER/スピードスターがいきなり廃番に……といった流れにはならないと思いますが、以前と比べて26インチ用の選択肢が狭まっているのは確かです。

気になったのでファットバイク用スリックタイヤの現状について一通り調べてみましたが、今回はその際に得た情報を元に20インチ・24インチ・26インチ・27.5インチの各サイズごとに、スリックタイヤおよび舗装路や街乗りに向いたファットバイク用タイヤを一覧にまとめてみます。

【27.5インチ/ETRTO 584】舗装路・街乗り向きなファットバイク用タイヤ

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手始めにファットバイクでは最高の走破性を誇る27.5インチ用タイヤから取り上げてみますが、ぶっちゃけこのサイズにはスリックタイヤどころか舗装路向きで転がりの良いタイヤはゼロ。

いきなり絶望的な状況からのスタートです。

元々、オンロード用に作られた規格ではないので当たり前ですが、27.5インチホイールのファットバイクに乗っている方は、26インチホイールを別に準備して26インチタイヤから漁った方が無難ですね。

それでも、オンロード向きなタイヤを無理矢理ピックアップするなら、画像左のTERRENE CAKE EATER/テレネ ケーキイーターと画像右のMAXXIS MINION/マキシス ミニオンあたりが妥当でしょうか。

前者のケーキイーターは元々スパイクタイヤですがノブが低いため転がりが良く、スタッズの無い27.5×4.0 LIGHTは1325gとファットバイク用タイヤとしては重くも軽くもない重量。

後者のミニオンはフロント用のFBFとリア用のFBRがあり、サイズは27.5×3.8でどちらも重量は1300gほど。

ミニオンはトレイルを走る際に強さを発揮してくれるタイヤですが、こちらもスノータイヤと比べてノブが低くなっているため、舗装路上では思った以上に良く転がってくれます。

他にも、45NRTHのスパイクタイヤ「DILLINGER 4」をスタッズ無して使うと良く転がってくれるらしいのですが、割高なタイヤなので、勿体なくて舗装路上では使いたくないのが本音でしょうか。

因みに、マキシス ミニオンは見た目に寄らずロードノイズが控えめで、ノブ付きのファットバイク用タイヤでは走行音が大人しい部類に入ります。

【24インチ/ETRTO 507】舗装路・街乗り向きなファットバイク用タイヤ

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続いて24インチ用タイヤですが、そもそも24インチのキッズ用ファットバイク自体がレアなため、選択できるタイヤが本当に数えるほどしかありません。

今回の主旨とはズレてしまいますが、24インチファットバイクのタイヤ交換でお困りの方のために、使えるタイヤをふたつほど紹介してみます。

ひとつ目は画像左のCHAOYANG BIG DADDY/チャオヤン ビッグダディで、サイズは24×4.0のワイヤービード。

ワイヤービードかつ30TPIのせいか、重量は1400gと先ほどの27.5インチタイヤを上回る重さ。

因みに、タイヤに詳しい方なら薄々感じているかも知れませんが……

タイヤのパターンが完全にパナレーサーのファットバイク用タイヤ「Fat B Nimble」のパクリ……じゃなくてオマージュ。

中華製の自転車や電動アシストバイクが増えている影響からか、安価なCHAOYANG/チャオヤン製のタイヤも良く見掛けるようになりましたが、電動ファットバイク用のタイヤだけ価格が高止まりしている印象ですね。

ふたつ目は画像右のVEE MISSION COMMAND/ヴィー ミッションコマンドーで、サイズは24×4.0。

本当の名称はミッションコマンドなんですが……大好きなんですよ、あの映画。

例によって、ワイヤービードとフォールディングビードの二種類があり、前者は1500gで後者は1350gとのこと。

タイ王国のタイヤメーカーであるVEE TIREですが、ファットバイク用のタイヤを積極的にリリースしているこちらのメーカーでも、24インチ対応はこの一種類しかありませんでした。

台湾メーカーのKENDA/ケンダあたりもリリースしていそうですが、24インチファットバイク用ではこの二種類から選ぶのが現実的でしょうか。

タイヤパターンを見る限り、ミッションコマンド―の方がオンロードで良く転がってくれそうですが、VEEは国内での入手性が悪く、品質の割に高価なのが難点ですね。

【26インチ/ETRTO 559】舗装路・街乗り向きなファットバイク用タイヤ

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ファットバイクで主流の26インチ用タイヤですが、やはりVEE製が強いですね。

以前に比べて種類こそ減りましたが、画像左の鉄板スリックタイヤことSPEEDSTER/スピードスターは今のところ健在ですし、画像右のZIGZAG/ジグザクも街乗りファットバイク用としてよく見掛けます。

スピードスターに関してはあえて語ることはありませんが、サイズ26×3.5でフォールディングビード版が重量1100g弱と大変軽量。

鈍重なファットバイクの走りを劇的に変えるポテンシャルを秘めています。

一方、気になるZIGZAG/ジグザクですが、サイズは26×4.0とスピードスターよりもひとまわり太く、重量も約1500~1700gとばらつきがある上に全体的に重めな仕様。

ワイヤービード版とフォールディングビード版がラインナップされていますが、不思議なことにフォールディング版の方が1890gと重く、詳細は不明ですがTPIに違いがあるのかも知れません。

ファットバイクが軽快に走るか否かは、タイヤ重量よりもノブの有無に寄るところの方が大きいのですが、スピードスターの1100gと比べると、どうしても気になってしまいますね。

とはいえ、スピードスターよりも小石が詰まりづらいトレッドパータンをしていたり、タイヤサイドが白いホワイトウォール版がラインナップされいたりと無視できない点も多いです。

E-BIKEで使ったり耐久性を重視したいなら、ZIGZAGという選択も悪くありません。

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お次はCHAOYANG/チャオヤン製からふたつ。

画像左のSAND STORM/サンドストームは、中央に排水性に優れるアーガイルノブ、ショルダーにコーナリング時のグリップを高める低ノブという構成。

ワイヤービードの他にフォールディングビード版もラインナップされ、26×4.0サイズは1100gと侮れない軽量さです。

画像右のFAT MOMMA/ファットママは、連結したセンターノブにより低い転がり抵抗を実現。

タイヤの空気圧次第で乗り味が変化し、高圧では軽快に走ってくれるとのこと。

26×4.0サイズで重量1070gとこちらもやたらと軽量ですが、ぶっちゃけトレッドパターンの見た目がダサいのが一番の欠点かも知れません。

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ついでにノブありで転がりの良いタイヤも紹介しておきますが、26インチは流石に層が厚いですね。

画像左は27.5インチ版でも紹介したTERRENE CAKE EATER/テレネ ケーキイーター

画像中央は定番人気のファットバイク用タイヤ、SCHWALBE JUMBO JIM/シュワルベ ジャンボジム

画像右はファットバイク用タイヤで最軽量といわれるKENDA JUGGERNAUT PRO/ケンダ ジャガーノートプロ

ケーキイーターは説明済みなので割愛しますが、ジャガーノートは26×4.0サイズで僅か850gという、その軽量さが強味。

当然パンクはしやすいそうですが、26インチ最軽量タイヤなだけに一度くらいは試してみたいですね。

トリを飾るジャンボジムですが、海外のタイヤレーティングサイトによると、ノブ付きのファットバイク用タイヤでは最も転がり抵抗が少ない製品とのこと。

26×4.0サイズは重量1100g以下と前述のスピードスターにも引けを取らず、下手なスリックタイヤを選ぶくらいなら、こちらを選ぶのが正解です。

【20インチ/ETRTO 406】舗装路・街乗り向きなファットバイク用タイヤ

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最後に紹介するのが、ファットバイク用として新たなボリュームゾーンを形成した20インチ用タイヤです。

20インチ用タイヤは電動アシストやフル電動仕様のミニベロファットバイクに採用されることが多いため、耐久性のあるワイヤービードの物が多く、小径ながら重量も27.5インチ並みか、それ以上の製品も珍しくありません。

種類が多いため軽めの紹介になりますが、まずはCHAOYANG/チャオヤン製から。

画像右は24インチでも触れたBIG DADDY/ビッグダディ、このタイヤは27.5インチファットバイク除くほぼすべてのサイズを網羅していて、20×4.0サイズはワイヤービードながら1120gと比較的軽量なのが魅力。

画像左のSAND STORM/サンドストームも既出ですが、20×4.0サイズのワイヤービードで重量1250gとそこそこ軽量。

センターノブの無いセミスリックタイヤなので、舗装路メインならビッグダディではなくサンドストームを選ぶのが吉かな。

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20インチでもVEE TIREが強さを発揮していますね。

画像左のMISSION COMMAND/ミッションコマンドーは24インチ用で既出ですが、20×4.0サイズのフォールディングビード版は1400gとやや重めの仕様。

画像右のE-HUNTS MAN/イーハンツマンはその名の通りイーバイク前提のかなりゴツ目のタイヤ。

こちらはミニベロ仕様の電動ファットバイク「MATE X」のカスタマイズに使われることが多いそうで、実用性よりもそのルックスが人気を集めている模様。

20×4.0サイズのワイヤービード版が2200gと、電動じゃなければ遠慮したいくらいのヘビー級ですが、そのぶん走行時の安定感に優れます。

実際に試した方の話によると、ノブが密になっているだけに舗装路上での転がりは意外に良く、アスファルトとの相性も上々とのこと。

個人的に電動ファットとは縁がありませんが、調べてみると人気の20インチ電動ファットバイク「MATE X」は451ではなく406ホイールが採用され、チューブのバルブは自動車や自動二輪と同じ米式だそうです。

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VEE製が続きますが、26インチ用でも紹介した、こちらのスリックコンビにも20インチ用がラインナップされています。

画像左のSPEEDSTER/スピードスターは、20×4.0サイズのフォールディングビード版が重量1200gと軽量な作り。

画像右のZIGZAG/ジグザグは、20×4.0サイズのワイヤービード版が重量1780gと強度重視な仕様になっています。

どちらにもタイヤサイドが白いホワイトウォール版が存在するので、ドレスアップパーツとして使えるのも嬉しいところでしょうか。

同じミニベロ系ファットバイクでも、耐久性が求められる電動ならジグザク、軽量さを重視したい非電動ならスピードスター、といった選び方になるのかな?

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最後はオマケのこちら。

どちらも国内ECサイトではレアな存在ですが、フリマサイトやオークションでよく見掛けるタイヤです。

画像左のKENDA KRAZE/クレイズは、20×4.0サイズのワイヤービード版で重量が1400g。

シンプルなスリックタイヤで、市販されているファット系電動バイクの標準タイヤとして採用されていることが多いですね。

画像右のCHAOYANG ARISUN/アリスンは、20×4.0サイズで重量が1200~1400gと少しばかり不安定。

フォールディングビードなのかワイヤービードなのかも不確かですが、トレッドパターンを見る限り同チャオヤンのSAND STORM/サンドストームのタンウォール版で間違いないので、前述した仕様とほぼ共通かも知れません。

タイヤサイドが茶色いタンウォール版はレトロ風なカスタマイズには不可欠なので、タイヤのスリック化と共にドレスアップパーツとしても人気を集めそうです。

まとめ

質はどうあれ、ファットバイク用の小径タイヤはタイ・台湾・中国とアジア勢が健闘している印象ですね。

非電動のファットバイクなら、オンロード用としてノブが控えめで軽量なタイヤを選ぶところですが、電動には強度面という視点も欠かせません。

聞くところによると、転がり抵抗の少ないスリックタイヤに交換すると、E-BIKEのバッテリー持ちが良くなるそうで、走行時にアシストの切れる時速24kmに到達しやすくなるのがその一因とのこと。

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