値はどれくらい?ファットバイクの空気圧とタイヤゲージの話

ファットバイク用タイヤの空気圧イメージ02

ファットバイク最大の特徴といえるのが、幅10cm前後もある極太のタイヤ。

このタイヤは単に太いだけでなく、空気圧を0.5bar以下の極低圧にまで落とすことができ、ファットバイクの持つ走破性に更に磨きをかけることが出来ます。

ファットバイクに乗った方の感想で一番多いのが『フワフワと浮遊感のある乗り心地』だそうですが、タイヤを低圧で運用することはファットバイクの醍醐味であり真骨頂とも言えるでしょうか。

実際、この空気圧の調整は乗り心地の良し悪しや走破性に直結し、簡易的なサスペンションとしても機能します。

舗装路なら高圧、トレイルなら低圧、雪道や砂浜なら極低圧といった設定が基本となりますが、目安としてどのくらいの値が適切なのでしょうか?

今回は路面状況別にファットバイク用タイヤの空気圧について話題にしてみます。

※手っ取り早く空気圧の設定値だけを知りたい方は、最後の『まとめ』まで読み飛ばしてOK。

数値はどれくらい?路面状況に見るファットタイヤの空気圧

ファットバイク用タイヤの空気圧イメージ01

タイヤの種類によっても変わってくるため一概にはいえませんが、今回は以前使用していたKENDA『JUGGERNAUT 26×4.50』を例にして話を進めてみます。

空気圧の推奨値はPSI単位で5~30、bar単位なら0.35~2.0、重量は1400gとファットバイク用のタイヤでは標準的な値でしょうか。

まずは平坦な舗装路上を走る際ですが、推奨空気圧の上限に近い1.0~1.5barくらいで運用することが多いですね。

気休め程度でも路面とタイヤの接触面積を減らす意図があるものの、高圧化により乗り心地の良さは当然犠牲になってしまうのが難点。

ぶっちゃけ、ファットバイクにとって空気圧1.0barでも高すぎるくらいで、浮遊感のある本来の乗り心地が発揮されません。

同じ舗装路上でも凹凸の多い街乗りなら0.75barくらいにした方が遥かに乗り心地が良く、路面からの突き上げをタイヤがしっかりと吸収してくれるの実感できます。

冒頭でも軽く触れましたが、低圧にした極太タイヤがストローク量4cm程度の簡易サスペンションになってくれる感じですね。

続いて、トレイルやグラベルなどを走る際の空気圧ですが、概ね0.75barかそれ以下が妥当でしょうか。

高圧にしたままで走ると、砂利道や山道の凹凸でフロントタイヤがバウントして暴れますし、トラクションも掛かりづらくなります。

だだし、チューブドで運用している場合は0.5bar以下にするとリム打ちパンクの可能性が出てくるので注意が必要。

特に本格的なトレイルの場合は何もない雪道とは違い予期せぬ障害物に遭遇しやすくなるので、低圧化はほどほどにしたいところ。

最後に低圧化が最も真価を発揮する雪道や砂浜ですが、0.3~0.5barくらいで走ることが多いです。

積雪が15cm以上あったり、ゆるい雪質でトラクションが掛かりづらい状況では、ほぼ実用限界の0.3barまで下げて対応することも珍しくありません。

ここまで低圧だと、手で握ってもタイヤが容易に変形するので少し不安になりますが、雪道を含むゆるんだ路面の走破性に大きなアドバンテージがあることが実感できます。

余談ですが、過去にファットバイクがスローパンクした際は、タイヤサイドにシワが現れる空気圧0.1barでも自走で帰宅することができました。

ファットバイク用の低圧タイヤゲージを携帯しよう

パナレーサー製ファットバイク用低圧対応タイヤゲージ

走行前、走行中に関わらず、ファットバイクの必需品と言えるのが1.0bar以下でも測定できる低圧対応のタイヤゲージ。

私は画像右のパナレーサーのデジタルタイプを使用していますが、画像左のアナログタイプも同じパナレーサーからリリースされています。

どちらも低圧の測定に対応していて、備え付けのボタンを押せばバルブに付けたままエアーを抜いて細かな調整が可能。

本音を言えば、手持ちのフロアポンプや携帯ポンプに後付けできるタイヤゲージが欲しかったところですが、ポンプで空気を入れてからタイヤゲージに切り替え、少しずつエアーを抜いて調整する使い方が基本となります。

今のところ、デジタルタイプで特に不満は感じていないものの、表示や機能の切り替えが無くシンプルに使えるアナログタイプも魅力的ですね。

【追記】TOPEAK/トピークの『Shuttle Gauge Digital/シャトルゲージデジタル』という製品なら、手持ちのポンプに接続して使用でき、ポンプとタイヤゲージの両方を繋げたまま、空気圧の微調整も可能とのこと。

レザイン製ファットバイク用低圧対応タイヤゲージ

因みに、私が愛用しているパナレーサー製は固形石鹸を一回り小さくした様なずんぐりしたサイズですが、後発の製品にはコンパクトな物も存在しています。

レザインの『LEZYNE DIGITAL CHECK DRIVE』がそれで、60gと軽量な上にパナレーサー製よりも操作がシンプル。

ご覧の通りスリムな仕上がりなので、ツールケースに忍ばせても邪魔になりません。

まとめ

タイヤによって空気圧の推奨値が異なるので一概にはいえませんが、私の経験から路面状況別にタイヤの空気圧をまとめると以下のようになるでしょうか。

●平坦な舗装路上を高速で走りたいなら 1.0~1.5bar

●街中をのんびり快適に走りたいなら 0.5~0.75bar

●トレイルや砂利道を走行するなら 0.5~0.75bar

●空気圧調整なんて面倒だ!という方なら 0.75~1.0bar

●雪道や砂浜、ぬかるみを走行するなら 0.3~0.5bar

私の主観ですしチューブレスならもう少し低圧にできると思いますが、タイヤの空気圧は0.75barくらいが最もバランスが良いと感じますね。

因みに私はクロモリフレームのグラベルロードにも乗っていますが、空気圧を3.0barにしたクロモリグラベルの乗り心地は、高圧なままのカーボンファットバイクを余裕で上回ります。

低圧にしてからがファットバイクの本領。

これだけは肝に銘じておきたいところです。

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