簡易式はコレが本命?グランジ製メンテナンススタンドの感想

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前回の記事でファットバイクを増車したことをお伝えしました。

ファットバイクはこれで二台目ですし、他にミニベロやフルサス29erも控えています。

自転車趣味もそこそこ長いので、増車してもいまさら必要な物なんて無いでしょ?そう高を括っていたのですが、思わぬ落とし穴が待っていました。

オンシーズンまでの間はガレージではなく室内に保管し、自分好みにゆっくりとカスタマイズする予定でしたが、準備していたスタンド類がことごとくフィットせず、「サルサ ベアグリース カーボン」を安定して留め置くことができない状況に。

正確には、車体を丸ごと吊るせるフルサイズのメンテナンススタンドがあるので、メンテナンス自体に支障はなく、サドルをクランプすれば両輪を接地したまま安定した保管もできるのですが、この手のスタンドはとにかく場所を取るので、使用は中~短時間のメンテナンスに限定したいのが正直なところ。

ファットバイクなんて、水を入れたポリタンクが二つあればディスプレイスタンドの代用として事欠きませんが、あれこれ考えた末に、どうせなら以前から不満タラタラだった簡易式メンテナンススタンドと決別し、もっと使い勝手の良い製品に買い替えてしまおう!という流れに。

事前に調べたところ、グランジ/grungeの簡易スタンド「トリプルプレイスタンド」の評価が高く、外観からも使い勝手の良さがひしひしと伝わってきます。

リア引っ掛けタイプの簡易スタンドでは、これ以上に良さそうな製品が見当たらなかったので、即購入してみましたが、果して実際の使い勝手は如何に?

折り畳み可能でメンテ&ディスプレイに対応!グランジ「トリプルプレイスタンド」の詳細

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この手のスタンドはミノウラ製が鉄板ですが、個人的にオンロード車にやさしく、オフロード車には厳しい……そんな製品が多い印象。

各所のレビューや実体験を踏まえると、ミノウラ製のスタンド類は例えMTBやファットバイク対応を謳っていても、耐久性や安定感が不十分なこともしばしばです。

そこで注目したのが、こちらのグランジ製トリプルプレイスタンド、車体を支える脚部の安定感や可動範囲の広いフック部分など、今までありそうで無かった卒の無い仕上がり。

実売価格は5000円弱と簡易メンテスタンドとしては少しお高いですが、この機能性を考えると割と納得できてしまいます。

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商品名の「トリプルプレイスタンド」は、スタンド・メンテナンス・キャリーの三通りの機能に対応することに因んでいるそうですが、折り畳まれた状態で全長は約60cm、重量は1150gとコンパクト。

メイン素材は不明ですが片手で持つと予想以上に軽く、カメラの三脚に近い印象を受けます。

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展開した際の全体像はこんな感じで、車重を支える三脚部分は直径60cmの円に内接する一辺50cmほどの三角形を描きます。

チェーンステーを乗せる二つの下部フックは、三脚を最大に開いた状態で高さが45cm、これ以上高くしたい場合は三脚の開き加減で調節しますが、その分だけ安定感が損なわれるので要注意。

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高さ調節を兼ねた三脚の開閉部分はレバー式のシートポストクランプのような作りなっていて、クイックレバーによって折り畳みがスムーズに行えます。

便利な反面、重量物を支えるには固定力が不足する可能性があるので、重いバイクで使用する際は三脚をしっかりと開いた状態で固定した方が良いでしょう。

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三脚部分から上に目を移すと、火焔茸のような三つのフックの裏に二つ目のクイックレバーがあります。

前述した通り、チェーンステーを乗せる二つの下部フックはほぼ固定位置となり、二つ目のレバーを緩めることで、シートステーを引っ掛ける上部フックの高さ調整を行います。

こちらもレバー式のシートポストクランプと同様の作りになっていて、ツマミでクランプ強度を調整すれば片手でのレバー操作も苦になりません。

上部フックは下部フックと比べて荷重が加わりづらく、どちらかといえば横方向に支えるだけの役割なので、フレーム形状に合わせた位置調整がスムーズに行えるように、気持ち弱めのレバー設定がおすすめです。

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このスタンド、初見だと調整箇所がやたらと多いな……という印象ですが、頻繁に動作させる箇所は既に説明した三脚用レバーと上部フック用レバーの二つだけです。

白矢印の先にある上下フックの固定部分には、チェーンステー&シートステーにフィットしやすいように、そこそこ大きなガタが設けられていますが、特に増し締めや調節の必要はありません。

唯一の例外が上から一番目と三番目のボルトで、上部フックのガタではシートステーに追随しきれない場合に、左右に動かして調節をします。

後述しますが、シートステーとチェーンステーの挟角が鋭角になっている、オールマウンテン・エンデューロ・ダウンヒル系のマウンテンバイクだと調整が必要になるかも知れません。

余談ですが、上部フックは水平線からオレンジ色の矢印方向に35cmほど伸長できます。最大高が88cmになるので、サドルまわりに引っ掛けるといったイレギュラーな使い方もできるのかな?

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最後になりますが、もう一箇所だけ気になるボルトがありました。

意図した物なのかわかりませんが、この部分を緩めると支柱を軸にして三脚を回転させることが出来ます。

ペットボトルの底のように、脚の数は偶数よりも奇数の方が安定することが良く知られていますが、たとえ三脚でも向きによっては横からの力で簡単に倒れてしまいます。

恐らく脚の向きには個体差があると思うので、工場出荷状態の向きが気に入らない場合は調整をお試しあれ。

ミニベロからファットバイクまでOK!グランジ「トリプルプレイスタンド」の使用感

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道具は使ってみてなんぼということで、使用予定のファットバイクで早速テスト。

まずは画像のようにチェーンステーを下部フックにフィットさせますが、実際に乗せてみると意図的に設けられたガタが効果的に作用し、動作にもたつくことはありません。

この状態でも三脚でしっかり支えられている感覚がありますが、上部フックをシートステーに引っ掛けていないので手を放すと車体が横転します。

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続けて上部フックをシートステーに引っ掛けて固定しますが、ここでクイックレバーの威力がいかんなく発揮されました。

上下フックの間隔を小まめに調節できない製品だと、重い車体を左右にチマチマ動かして位置合わせをしなけらばならなかったり、一旦車体を下ろしてからフック位置の再調整が必要だったりするのですが、余った片手でそれらを全て解決できます。

下部フックに車体を乗せて、片手で車体を横から軽く支えたら、後は自由になったもう一方の手でクランプのレバーを緩めて上部フックを任意の位置まで引き上げ、仕上げにレバーで再固定するだけです。

特に練習もしていないのに、この一連の流れがあまりにも自然に行えたことに驚きましたが、私の知る簡易メンテナンススタンドとは別物に思えるくらい、使い勝手が良いですね。

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このままでもディスプレイスタンドとしての役割は果たせていますが、メンテナンスでクランクを回転させる必要がある場合は固定位置をもっとリアエンド側に寄せる必要がありそうです。

さて、気になるスタンドの安定感ですが、確かに今までの簡易スタンドよりも車体の揺れに強く、スタンドそのものに変形や軋みもありませんが、やはり過信は禁物ですね。

スタンド自体が約1.2kgと軽量なこともありますが、意図的に車体に力を加えると、三脚が二点接地している方向に倒れやすくなる傾向がみられました。

ディスプレイスタンドとして評価した場合、安定感はキックスタンドと同程度かやや上、長期間に渡って放置するような使い方をするなら、保険として事前にリアタイヤを外しておくくらいの小技は必要かも知れません。

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汎用性が気になったので、ファットバイクの対極に位置するミニベロでもテスト。

ディスプレイ用ならこの位置でも十分ですが、こちらもクランクを回すならもう少しリアエンド寄りな方が良いですね、下部フックが二股なのでキックスタンドがあっても跨いで支えられるのが地味に嬉しいです。

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ついでなので、薄暗いガレージに移動してフルサス29erでもテストしてみました。

フルサス車はシートステーアングルが30度前後と鋭角なので、クランクを回せるリアエンド側にフィットさせたい場合は、上下フックの間隔をもっと狭くする必要があります。

エンド側に向かうほど、上部フックの追随に無理が出てきそうなので、フルサス車で使用する場合は前述した第三の調整箇所の出番になりそう。

さて、ファットバイク、ミニベロ、フルサス29erと毛色の違う三台で試してみましたが、不思議なことにどれも一発で固定に成功しています。

車重がありフレーム形状も複雑なフルサスは流石に手こずるだろうな……と思っていたのですが、片手のレバー操作で難なくフィット。

使い勝手の良さに関しては、どうやら私の思い込みではなさそうです。

まとめ

流石に専用ディスプレイスタンド並みの高い安定性は望めませんが、トリプルプレイスタンドは概ね満足できる製品でした。

メーカー側が意図した通り、コンパクトに折り畳みできて車載も楽々、対応車種の多いメンテナンススタンドや一時的なディスプレイスタンドとしても十分に機能してくれます。

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最後にディスり気味だったミノウラ製のスタンドや、別のディスププレイスタンドについてもちょっとだけ弁明しておきましょう。

ファットバイクやMTBを安定して留め置くことが主目的なら、画像左のL字タイプのディスプレイスタンドが一押しですね。タイヤを差し込むだけのお手軽仕様で、日常での使い勝手が抜群に良いです。

私もフルサス29er用としてBIKE HAND「YC-97FB」を使用していますが、中国ゴマみたいな部分を上下させるだけで、プラスサイズタイヤの29erや4インチ前後のファットバイク、2.0インチ程度の細目のMTBタイヤまで、幅広く対応してくれます。

何気に自転車を挿し込んだ状態で乗車が出来るので、前後サスペンションのサグ出しに役立つのも魅力でしょうか。

続いてミノウラ製ですが、画像中央の「DS-520」はフックの調節範囲が狭い上に脚の強度も不十分なので正直おすすめしません。

ミノウラ製スタンドなら画像右の最上位モデル「DS-550-CS」を選ぶのが吉で、トリプルプレイスタンドに近い使用感が得られます。

因みに、ミノウラ製にはクランクのスピンドル部分に差し込んで車体を支える「SPN-20」というスピンドルスタンドも存在していて、実際に使用した方のレビューによるとチェーンステーで支えるタイプよりも安定感があるとのこと。

ミノウラ製スタンドは総じて脚が弱い……そんな一方的な先入観を持っていますが、このスピンドルスタンドは機会があれば試してみたいですね。

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