スラムより軽い!12速スプロケを『GARBARUK/ガルバラック』に交換

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梅雨時でまともに自転車に乗れない日々が続いていますが、それを見越してフルサス29erを絶賛カスタマイズ中です。

アルミ製ホイールからカーボン製ホイールに交換したことで、本来なら諸々のパーツをちびちび移植するところですが、今回はちょっとだけ贅沢をしてチューブレスバルブ・スプロケット・ディスクローター・タイヤの各パーツを全て新品で揃えてみました。

さて、本日のメニューは12速用のカセットスプロケットです。ホイールの中心付近に位置するパーツだけに、軽量化しても走りに対する恩恵は微々たる物ですが、重量級のフルサス29erを担いで歩くシュチュエーションも少なくないため、ダイエットさせておいて損はありません。

当初は軽量スプロケを選ぶならコンポと同じSRAM製がベストでしょ?と思ったのですが、財布の紐が緩みがちな私でも流石に手の出しづらい価格です。

SRAMの国内価格はボッタ過ぎでしょ…と溜息を漏らしつつ、虎の子の海外通販を頼ってみますが、ご存知の通り日本への発送を制限しているショップが殆どで、MTB乗りには辛い時代ですね。

とはいえ、SRAM純正に拘らなければ十分に希望はあります。今回はXDドライバー対応の軽量カセットスプロケット『GARBARUK/ガルバラック』の詳細やSRAM製スプロケとの違いについて話題にしてみます。

SRAM純正だけじゃない!軽量スプロケットあれこれ

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国内価格は高すぎ、海外通販は通せんぼ、中華非正規品はちょっと不安…と早々にSRAM製スプロケを諦めて、他社製の軽量スプロケットに目を向けます。

候補になったのは、画像左の『GARBARUK/ガルバラック』製と画像右の『e*thirteen/イーサーティーン』製で、どちらの製品も本家SRAMよりも軽量かつ安価なのが売りですね。

因みに、画像中央が本家SRAM製の『XG-1299』で国内価格は¥63000税抜、海外通販で購入できたとして¥36000くらいでしょうか、海外通販でも十分に高価な部類ですが、この価格差には本当にうんざりさせられます。

さて、この三種類のスプロケはどれも12速で、SRAMが10-50Tで約355g、GARBARUKが同じく10-50Tで約338g、e*thirteenが9-46Tで約336gと重量はほぼ横並び、一番の違いはe*thirteenだけ最大46Tである代わりに9Tが使える点ですね。

9Tが使えるのはかなり魅力ですが、最大46Tとなると今よりもチェーン長を短く調整する必要があり、併用予定のホイール備え付けの『XG-1275』10-50Tカセットと整合性が取れなくなる可能性が出て来ます。

e*thirteenには別に9-50T仕様の製品もあるのですが、こちらは400gと重く現在使用しているXG-1275と比べて旨味のないのが辛いところ。

結局、SRAMよりも軽量でギアコンビネーションが同じなGARBARUKを選びましたが、ホイールを使い分けないならe*thirteenを選んでいたと思います。実売価格はGARBARUKが¥25000程度、e*thirteenが¥22000程度と価格面でも有利ですしね。

余談ですが、いつの間にSRAM純正スプロケに10-52Tがラインナップされていました、お次はいよいよ13速登場かな?と思っていたのですが、少し足踏みしているようです。

『GARBARUK/ガルバラック』12速スプロケットの詳細

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カーボンホイールの到着待ちで、手付かずで放置していたGARBARUK/ガルバラックの10-50Tスプロケットを開封してみます。

国内ではマイナーなので聞き慣れませんが、GARBARUKはガルバラックないしガーバラックと発音し、ウクライナのキエフで産声を上げ、現在はポーランドに本拠を構えるメーカーです。

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中身は簡単な取説と本体だけのシンプルな構成で、XDドライバー対応だけに取付方法はSRAM純正と全く同じです。

因みに、前述したe*thirteen製は9Tを使う兼ね合いでSRAMのXDドライバーとシマノのマイクロスプラインのみの対応ですが、GARBARUKはその他にも旧規格のシマノHGに対応した軽量スプロケットもラインナップしています、もちろんトップギアは11Tからですけどね。

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化粧箱から取り出してみると、オブジェにしたいくらい美しいフォルムでした…こんな感想が漏れるようになったら重度の自転車中毒で間違いありません。

ギアコンビネーションは10-12-14-16-18-21-24-28-32-36-42-50で、この他に10-48Tと10-52Tもラインナップされています。

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加工方法はSRAMと同じインゴットからの削り出しで、1~11速までのギアがワンピースのスチール製、最大ギアのみアルミ製の構成になっています。

SRAM製もそうですが、この手のスプロケットは手でクリーニングするのがとにかく面倒です。元々、軽量化と共に泥ぬけを良くするための工夫ですから、スプロケットをホイールから取外してディグリーザー&高圧洗浄機で一気に汚れを吹き飛ばすのが正しい方法かも知れませんね。

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実重量は328gとカタログスペックよりも軽量でした、現在使用しているSRAM GXグレードのカセット『XG-1275』が約450gですから、差し引き122gの軽量化になりました。

GARBARUK製スプロケットへの乗り換えは、私と同じようにGXグレードからの乗り換えが多いそうで、変速性能はXX1などの高級グレードには流石に劣るものの、GXとほぼ同等というのが現在の評価です。

新ホイールにGARBARUK12速スプロケットを取付け

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今回はカーボンホイールを含めて全てが新規パーツとなり、スプロケットもポン付けするだけです。

必要な工具はグリスと定番のロックリングツールくらいで、フリーボディがシマノHGでもマイクロスプラインでもSRAM XDドライバーでも、違いはありません。

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まずはXDドライバーにグリスを軽く塗布しておきます。スプロケットを取付けると隠れてしまう部分ですが、フリーボディが黒くないのは少し新鮮でした。

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SRAM XDドライバー対応のスプロケットには、シマノのように分離できるロックリングが備わっておらず、最小ギアの部分に工具を差し込む溝が設けられています。

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スプロケットをXDドライバーの溝に合わせて取付けてから、何かと出番の多いロックリングツールを使って、時計回りに締め付けるだけで終了です。

締め付けトルクは45Nmですが、経験上いざというときに取外しに苦戦することが多いので、ギリギリ自力で外せるくらいの力加減で締め付けました。

因みにXDドライバーの取付け溝には一箇所だけ細い部分がありますが、スプロケット側の溝はどれも全く同じ幅なので、特に取付け位置を気にする必要はありません。

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何ら苦戦することもなく、サクッと作業は完了しました。ホイールの裏側には160mm径のディスクローターが見えますが、10-50Tともなるとローターが完全に陰に隠れてしまうサイズですね。

GXグレードと同等?GARBARUK製スプロケットの変速性能をチェック

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XDドライバーにポン付けするだけ、おまけにギアコンビネーションも同じ、これはひょっとして未調整でイケるのでは…と淡い期待を抱きましたが、流石にそれは無理でした。

シフター側のアジャスターボルトでインデックス調節をしますが、ギアが密集している12速コンポの変速調整は大変シビアで、納得できる状態にするのに骨が折れます。

インデックス調整が済んだら、Bテンションボルトでガイドプーリーとスプロケットの距離を調節しますが、SRAMの11速・12速の場合、この値が14mmと決められているので少し悩みました。

『ファットバイク11速化でコンポをSRAM GXに交換』イメージ16

SRAM製の12速コンポを買うと、リアディレイラーに『Chaingap Adjustment Gage』という上画像のツールが付属し、最大ギアとガイドプーリー間の距離を約14mmに設定する仕組みになっています。

一応、14mmのままでも変速に支障はありませんでしたが、GARBARUKのHPによると最大ギアとガイドプーリー間の距離は最低5mmとあり、試しにこの値に調節してみることにしました。

チェーン詰まりが起きない程度に近付けてみると、確かに変速は滑らかになるものの10速時にリアディレイラーケージとスプロケットが接触してしまい上手くいきません。

結局、最大ギアとガイドプーリー間の距離を約9mmにすることで無事動作するようになりXG-1275と同程度の動作に仕上がりましたが、GARBARUKスプロケット本来の変速性能を発揮させるには別売りのリアディレイラーケージやチェーンリングも買ってね♪ということらしいです。

このリアディレイラーケージがなかなかの優れモノで、SRAM純正とは違い最小ギアでガイドプーリーとの距離が最も近くなり、最大ギアでガイドプーリーの距離が最も離れるといった、理想的な動作をしてくれるそうで、セットで購入しなかったことを少しだけ後悔しました。

さて、一通り調整が済み不具合が無いか確認してみると、一つだけ気になる点がありました。2速状態でクランクを逆回転させると、チェーンがお隣の3速ギアに干渉してカツンカツンと僅かに引っ掛かるような動作をします。※ここでいう2速は最小ギアから数えて二番目です

軽微なので気にするほどでもありませんが、あれ?XG-1275でこんな現象あったっけ?と確認してみると、こちらでも同じように発生しました。

故意にやらないと確認できないこともありますが、XG-1275は歯が摩耗しているので単に気付きづらいだけですね…どうやら12速スプロケットのギア間隔の狭さやチェーンラインが関連しているようです。

因みに、GARBARUK製スプロケットはバックペダリングでチェーン落ちしづらい点も売りにしています。フロントシングル&ワイドコグの11速や12速コンポは最大ギアでクランクを逆回転させると、ほぼ確実にアウター側にチェーン落ちする現象に見舞われるのですが、完全ではないものの確かにチェーン落ちが軽減されていました。

変速調整に多少苦戦しましたが、GARBARUK製スプロケットはGXグレードとほぼ同等という評判は確かでした。今以上の変速性能を望むなら、チェーンリング・プーリー・リアディレイラーケージの全てをオールGARBARUKにしてみるのも面白そうです。

まとめ

GARBARUK/ガルバラック製の12速スプロケットについて話題にしてみましたが、海外の評判を見る限り12速用よりも11速用のスプロケットの方が人気みたいですね。バックペダリングでのチェーン落ちに関しては11速用の方が完成度が高く、11速のまま50T前後が使えるのも魅力です。

日本国内ではMTB乗りの方が辛うじて知っている程度の知名度ですが、グラベルロード用の『シマノ GRX』用も含めたマイクロスプライン対応の軽量スプロケットとして、昨今のグラベルロード人気に是非ともあやかって欲しいところ。

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