雪どけを見計らってコツコツ進めていましたが、春先は車体のクリーニングだけでなく、タイヤ交換や追いシーラントも恒例行事。
タイヤに関しては一年毎に交換するほど消耗していないものの、昨シーズンにパンクしたリア側には未だに旧モデルの無印グラベルキングが代替品として居座ったまま。
このままでも特に不都合はありませんが、第二世代のグラベルキングが刺突パンクにより思いのほか短命に終わってしまったことで、耐パンクモデルへのアップデートを決意します。

最後まで舗装路でも良く転がると評判の「GRAVELKING X1」と悩みましたが、今回はX1よりも軽量だった無印グラベルキングの耐パンクモデル「GRAVELKINGプラス」をチョイス。
プラスには耐パンクレイヤーが追加されていて、私の購入した700×35Cのカタログ重量は400gとのこと。
刺突パンクで引退した第二世代グラベルキングは同サイズで実重量が376gでしたから、重量増と引き換えに少しばかりの安心感を手に入れることになります。

念のため重量を計測してみると、426gと予想外の数値が出てしまい、どうやらハズレの個体を引いてしまった模様。
先代タイヤからだと50g増となりますから、流石にこれは看過できずにしばしの落胆。
X1は評判の良いタイヤなだけに、僅かな軽さに釣られてグラベルキングプラスを選んだことを少し……いやかなり後悔。
因みに、新作のX1はノーマルモデルの700×35Cが420gとなり、耐パンクレイヤーのあるプラスモデルが450gという重量。
調べてみるとX1の実重量はカタログ値とほぼ同じか微増と聞いて更に落ち込むことに。
おまけにX1にはトレッド面にノブがあるため、ノーマルモデルを選んでも耐パンク性能は無印プラスと同程度が望めたかも知れません。

さて、気を取り直してシーラントの注入。
今回から、シーラントをタイヤと同じパナレーサーの「シールスマートEX」に切り替え。
理由は至ってシンプルで、他社製のシーラントが高価になり過ぎているから。
スタンズの無印シーラントが2オンスの60ml版で1600円弱、MUC-OFFの140mlパウチが2000円弱のご時世に、このシールスマートEXは120mlで855円と良心的な価格設定です。
機能面もMUC-OFF製と比べて遜色なく、水洗いOKでアルミホイールを腐食しないアンモニアフリー。
穴を塞ぐ能力も高く、クルミ粒子入りで6mm超の損傷にも対応とのこと。
MUC-OFFと比べるとタイヤ内での寿命が若干短いものの、粘度がそれほど高くないためタイヤ内に行き渡りやすく後処理しやすい点は私好みですね。

高性能シーラントには鬼門となる、バルブからの直接注入にも対応。
パナレーサー曰く、注入量はタイヤの太さの2倍が推奨値だそうで、35mm幅のタイヤなら注入量は70mlとなります。
また、接続用のホースは120ml版にしか付属しないため、500mlや1000mlといった大容量版を購入する場合でも、セットで購入しておくのがオススメ。
もちろん容器は再利用できるので、緊急時の予備シーラントとして携帯用にするのも手でしょうか。
余談ですが、サラサラ系とは言わないまでもMUC-OFFのマウンテン用よりもずっと粘度が低く、タイヤを空転させた際の水音でシーラント残量の簡易的な確認も可能でした。

タイヤ交換の翌日、春霞の影響はあるものの天気に恵まれたため早速テストライドに出走。
向かう先は毎年この時期になると何故か走りたくなってしまう、山越え&海沿いのコース。

峠に入ると、日当たりの悪い場所にはまだ積雪が残っていました。
雪を見る度に悔しい気持ちになりますが、諸事情により今シーズンはファットバイクでのスノーライドが一度も出来ず仕舞い。
結局、ラストチャンスとなる二月以降にもまとまった積雪は無く、不本意ながら北国のウインターシーズンはお開きとなりました。

それほど険しい峠ではありませんが、ピークを過ぎると後は真っ直ぐな下り坂が続きます。
この峠越えは脚が鈍っていないかどうかの判断材料にもなり、思いのほか軽快にぺダルが回りました。
このコースがキツく感じるようになったらe-BIKEへと乗り換える心づもりですが、MTBタイプにするかグラベルタイプにするかは悩みどころ。
個人的にヤマハのWABASH RTが気になっていますが、頭でっかちに見えるフレームデザインは好みがわかれるかも。

最初の目的地に到着し、ここで小休止。
田舎住まいの良いところは、必死に探さなくても農道というグラベルが腐るほどあることでしょうか。
タイヤをオフロードにも強いGRAVELKING X1にしていたら、今回のライドはもっと楽しめていたかも……そんな愚痴が思わずこぼれます。

タイヤ交換だけでなく、車体も徹底クリーニングしたのでドライブトレインの動作は快調そのもの。
今回はスプロケとプーリーを全て分解洗浄したので駆動音が不気味なほど静かでした。

休憩ついでに裏手にある寺院で枝垂れ梅をパシャリ。
天気は悪くありませんが気温はまだ10℃そこそこで、桜の季節はまだ遠いです。

付近に響くけたたましい鳴き声が気になって探してみると、思った通りコゲラが食事中。
どこにでもいる珍しくない野鳥で、日本国内のキツツキ類では最も小さい種類。
キツツキ類はどれもギー、ギー、ギ―と特徴的な声で鳴き、この濁ったさえずりを聞くと付近に居るのがすぐにわかります。
因みに、木を激しくつつくドラミングの際には必ず目を閉じていて、これは眼球が飛び出さないように固定するためだとか。

小休止を終え、海辺のルートへ。
そのまま海沿いの砂地を走りますが、35c程度のタイヤでは流石に荷が重いですね。
峠越えはキツいでしょうけど、雪道を走れなかったリベンジとしてファットバイクで砂浜を走っても良かったかな。

しばらく進んで、何となく見覚えのある寂れた場所に到着。
それもそのはず、二年前に一度だけファットバイクで来たことがありました。

この年は記録的な暖冬で、ファットでここを訪れたのは本来なら厳冬期の2月という異常さ。
しかし……雪がなかったとはいえ、よくファットバイクで峠越えなんてする気になったな、かつての自分よ。

眺めの良い場所で撮影に勤しむも、少し前に強風でファットバイクを横転させた記憶が蘇り、ほどほどで終了。
ご当地の春は日差しが柔らかくても、吹く風にはまだ冬の厳しさが残っています。

風の影響を受けづらい場所に駐輪し直し、あらためて景色を堪能。
この場所は寂れているとはいえ、一応はそこそこ名の知られた海水浴場のひとつ。
のんびり休憩するにはもってこいの場所ですが、付近にはコンビニもスーパーも無いのでここでの昼食は断念することに。

付近を散策するとBBQの痕跡があり、完全に打ち捨てられている施設では無さそう。
ワイルドな焼き網を見るに、目の前の海で採った魚や貝なんかを焼いたのでしょうか。

謎の建造物を正面から見ると、しっかりと管理されている印象がありました。
隅にはBBQ用の脚付きコンロもありますし幾つかあるドアも施錠済み、夏場は海の家の一部として、しっかりと賑わいを見せているのかも知れませんね。

この日は不思議と疲れ知らずで、引き続き海沿いを走り続けてロングライドへと移行。
リアタイヤは確実に重くなっている筈ですが、その影響は全く感じません。

ひたすら海沿いを走り続け、折り返し地点となる道の駅に到着。
この道の駅にはバイクラックがあるので安心して寄り道してみると、ご覧の有様。
春休み期間中で学生が多かったせいもあり、キックスタンド付きの自転車からは無言の圧力。
新手のイジメでしょうかね?
まあ、知らない人からするとバイクラックなんて貧弱な鉄棒か物干し台くらいにしか見えませんからね。
バイクラックがあるからといって、そこがスポーツサイクルの専用スペースだなんて、そんな都合の良い配慮に期待してはいけません。

道の駅でひとしきりハブられた後は、軽食を摂って帰途に。
途中のサイクリングロードにて、何やら見覚えのある物体が河原に漂着しているのを発見。

うん?どうしてお前がここに……
何故かとろ~り三種のチーズ牛丼が食べたくなりました。

大台には乗らなかったものの、この日のライドは90km強の走行距離。
まだ脚が本調子ではないこの時期としては不自然なくらいの快調さで、数ヶ月間自転車に乗れなかったブランクは宣言通り一ヶ月のリハビリで解消できていたようです。
さて、肝心のグラベルキングプラスの使用感ですが……
50g増えたけど特にストレスは感じなかった。
ぶっちゃけ変化が無さ過ぎて、何の面白味もありません。
無印グラベルキングに耐パンク層が追加されただけなので、極々当たり前の評価ではありますけどね。
因みに、パナのタイヤにパナのシーラントの組合せということで、気密の維持は上々でした。
ビード上げのセットアップ後から殆ど減圧しておらず、一週間経っても追いポンプが不要なほど。
パナレーサーのチューブレスタイヤを使っているなら、同社のシールスマートEXは悪くない選択肢になるのかも。

