少し前の話ですが、いつも自転車で走っているCRをたまたま散歩していると、私の進行方向200m先にあるCRへの合流地点で、二人の自転車乗りが何やら話し込んでいるのが見えました。
春先のこの時期は、まだまだ風の冷たい日が多く、自転車に乗るにはそれなりの装備をしなければなりませんが、遠目から見ても明らかに重装備で、どうやら地元の自転車乗りでは無さそうです。
歩みを進めてその二人が私の目前まで来ると、打ち合わせの様な会話は一段落し、私と入れ違う様にその方々は自転車をスタートさせました。
不躾ではありますが好奇心には勝てず、すれ違い様にチラ見してみると、男女二人組でクロスバイクに乗っているのが確認できました。
特に珍しい光景ではありませんが、私を何より驚かせたのはその二人組が乗るクロスバイクのハンドルで、今までに見た事の無い独特な形状をしていました。
一瞬だったので正確な形状までは把握できませんでしたが、正面の装いは『∞』←こんな感じで、太目のバーテープが巻かれているせいか、パッと見はビッグホーンやアルガリと言った高山生息の野生ヒツジの様な印象でした。
因みに、上画像がアメリカの高山地帯に生息しているビッグホーンですが、私は何故かこの動物を真っ先にイメージしてしまいました…野鳥撮影も趣味なだけに野生動物も大好きなんです。
用事を済ませた帰宅後にこのハンドルについて調べてみると、どうやらバタフライハンドルの一種で名称は『マルチポジションハンドルバー』と言うらしく、クロスバイクやマウンテンバイク、ミニベロやファットバイクなど、ストレートハンドルを採用している自転車に使う事で握りの自由度を一気に増加させてくれる便利な代物の様です。
以前にこのブログでも紹介したTOGS/トグスやバーエンドバーを使ってもストレートハンドルのハンドポジションを増やす事は出来ますが、とにかく正面から見た時のインパクトが凄まじく、クロスバイクらしからぬ雰囲気が醸し出されていました。
ファットバイクのロングライドで使えれば面白いかな?と更に調べてみると、代表的な製品はオランダの自転車関連メーカー『BBB』や『NITTO/日東』、『Bazooka/バズーカ』やアマゾン御用達の怪しい中華メーカーからも幾つかリリースされていて、入手は難しく無さそうです。
どのマルチポジションハンドルバーもハンドル径は22.2mm、クランプ径が25.4mmでハンドル幅は600mm未満と、大抵のクロスバイクにならポン付けして使える仕様になっていましたが、残念ながら私のファットバイクのクランプ径は35mmの極太仕様なので、そのままでは使えそうにありません。
実際に使っている方の評判はなかり良く、ハンドル末端がリア側を向くように取り付ける方法が一般的な様ですね、クッション多目の極太バーテープを巻くと本当に個性的な見た目になります。
奥を握れば前傾姿勢、手前を握ればアップライト姿勢、サイドを握ればヒルクライムも上々と言った使い分けができ、中長距離のツーリング車に使えばかなり幸せになれそうなハンドルでしょうか。
どのメーカーのマルチポジションハンドルバーでも形状に大きな違いはありませんが、ファットバイクで使うにはハンドルバーシムを噛ませるかステムの交換が必要になるので、どちらかと言えばセカンドマシンのミニベロ向きかも知れませんね、実際にハンドルを交換した後はブレーキやシフトレバーの位置決めに結構悩みそうな予感がします。