今夏はファットバイクどころか、ミニベロに乗るのも躊躇するような猛暑が続き
いささかバテ気味の私ですが、久々の更新です。
以前に、軽量化を兼ねてファットバイクのグリップを
KCNC製”EVA LOCK-ON GRIP”に交換したことを記事にしました

傷が付きやすく、手入も面倒だったレザー製エルゴグリップからの交換で
100g強の軽量化と、悪路でグリップが握り込めない欠点は解消出来たものの
明らかに、交換前よりも掌や腕に痛みや疲労を感じやすくなってしまいました。
エルゴグリップに比べて、掌をのせる面積が3割は減るので
ある程度予想はしていましたが、ファットバイクに限らず
クロスバイクやマウンテンバイク、一部のミニベロやフォールディングバイクなど
フラットバーハンドル仕様の自転車で長距離を走行したときに感じる
手や掌の痛みや腕や肩の疲労は、誰もが一度は直面する悩みではないでしょうか。
私の場合、ファットバイクで40km以上走行することは滅多にありませんし
痛みや疲労も誤魔化しの効く範囲でしたので
別にこのままでも良いかな?と半ば諦めていたのですが
偶然にも、フラットバーハンドルでもハンドルポジションを増やす事が出来る
“TOGS/トグス”というお役立ちパーツの存在を知ります。
気になって調べてみると、利用者の評判も良く、絶賛されている方も少なくありません
これは是非、使ってみたい!!と好奇心が抑えきれなくなったので
試しにTOGS/トグスを購入してみる事にしました。
フラットハンドルを快適にするお役立ちパーツ”TOGS/トグス”とは?
この”TOGS/トグス” マルチハンドルポジションはアメリカのソルトレイクにある
小さな家族経営の会社がリリースしている製品で、米国内で設計・製造されています。
トップ画像を見てわかる様に、フラットバーハンドルに取り付けると
グリップ付け根の左右に3cm程の角が生えた様になり
TOGSのロゴマークにある『牛』に似た特徴的な外観になります。
現在は初代に改良を加えた、第二世代の製品が販売されていて
カラーバリエーションも10種類以上と豊富に揃っています
初代とは違い、リング部分がグリップを外さなくても取り付け可能な
柔軟性のある素材に変更され、角の部分は滑りづらいラバー素材です。
一応、カーボン製の上位グレードが一種類だけ存在しますが
元々軽量なので、趣味趣向以外でこちらを選ぶメリットはないかも知れません。
TOGSを取り付けると、通常の握り以外にも
上画像の様なハンドルポジションが使えるようになり
掌や腕をリラックスさせた状態で走行できます。
エルゴグリップならTOGS無しでも、似たようなポジションが出来るのですが
TOGSを使うと、親指をハンドルの上側に置いても
親指と人差し指の股部分でハンドルを固定でき、安定感が段違いです
これなら、平坦路を走行中に多少気が緩んでいたとしても
不意に襲う路面のバンクや急なブレーキングにも対応できますし
ハンドルから手が滑り落ち、転倒してしまうことも防げます。
ファットバイクに”TOGS/トグス”を装備
早速、フラットバーハンドル仕様のファットバイク用にTOGSをネット注文してみました
カラーはファットバイクのアクセントカラーに合わたオレンジにしましたが
車種によっては安っぽく見えてしまうので、無難なブラックがおすすめでしょうか。
送料を含めて¥3000~4000程度と少し高めの相場で販売されていますが
正直、あと¥1000安くても良いのでは?と思える素材感です
この手のお役立ちパーツは、価格の大半がアイディア料みたいな物なので
あまり文句は言えませんが、安価な中華コピー商品に市場を奪われそうで少し心配です。
重量はペアで16gと軽量です、上位のカーボン版は18gなので
こちらの方が僅かに軽量な作りですね
前述の通り、角部分だけラバー製のセパレート構造で
取り付け径はフラットバーハンドルのにぎり径と同じΦ22.2mmです
本体には小さくL・Rとプリントされ、締め付けトルクは1Nmと表示されています。
第二世代のTOGSはグリップを抜き取らなくても取り付け可能との事なので
今回はKCNC製の軽量グリップを固定したままで
ちょうどスペースが空いたままになっていた部分に差し込んでみます。
TOGS本体のボルトを外し、リングを広げながら取り付けますが
プラスチック感あふれる見た目とは裏腹に
指先で広げながらハンドルバーに差し込むのが予想外に難しく
割れ目の部分を少しだけ広げてハンドルに押し当ててから
ハンドルバーのRを利用して、上から力尽くで差し込む感じになります
事前にドライヤーかヒートガンで温めておくと柔らかくなりそうでしたが
元に戻らなくなったら嫌なので、あえて使用しませんでした。
また、リングを広げて取り付けるとTOGSが僅かに変形してしまう影響からか
六角レンチで固定する際にボルトとボルト穴が微妙に噛み合ず、ボルトが空回りします
結局、手でリングを押さえ付けながらボルトを締め上げて固定しましたが
長所と思われていたグリップを外さずに取り付ける方法は、何かと面倒が多かったです
これからTOGSを試す方は素直にグリップを外して取り付けた方が良いでしょう。
実は、悪戦苦闘してTOGSを取り付けしたものの
KNCN製グリップのリング部分がわずかに干渉し、フィット感がイマイチでした
軽量でお気に入りのグリップでしたが、取り合えず予備用として保管していた
PDW(ポートランド・デザイン・ワークス)のグリップと交換し、何とか落ち着きました。
取り付けた後は実際に試乗して、自分に最適な角度に調整する必要があります
殆どの場合、角は真上を向かず少し手前(前方方向)に倒れる形で固定されますが
私の場合、ブレーキレバーとほぼ同じ角度が最もしっくりきました。
前述の通り、TOGSには締め付けトルク1Nmの記載があるのですが
手持ちのトルクレンチを使用できるスペースが無かったため
少しアバウトに取り付けています
定格通りだと、どの程度に固定されるのかは不明ですが
最初のうちは、走行中に何度も角度を微調整する必要があるので
少し強めの力を入れて動く程度に固定したほうがセッティングが楽です。
いつもなら、試乗後の感想もレポートするのですが
台風による悪天候と連日の猛暑で試乗の機会がなかなか得られません
実際にTOGSを使ってみた感想は後日追記する事になりそうです。
後日”TOGS/トグス”で試走してみた感想
猛暑も一段落し、ようやくTOGSの使い心地をテスト出来ました
TOGS以外にもハンドルがフラットかつカーボン化されていたり
Vブレーキレバーも”DeoreXT”の3フィンガーになっていたりと、結構変わっています
因みに、固定用のリングを反対側にすることでTOGSとの干渉問題が解決したので
軽量なKCNC製EVAグリップに戻しています。
さて、25kmほどいつものコースを試走してみましたが
コレは本当に便利だなぁ~♪という感想に尽きます
【1】通常の握り
【2】握ったまま親指だけTOGSに掛ける
【3】掌をグリップに載せて親指をTOGSに掛ける
走行中は上記の3パターンのポジションが取れますが
【3】がとにかく楽で、掌をグリップに軽く載せているだけにも関わらず
TOGSにしっかりと親指が引っ掛かっているおかげで
リラックスした状態でも危なげない走行が出来ます。
行きは、TOGSの感触を確かめながらポジションを小まめに変えていましたが
気が付けば、帰りは【3】のポジションオンリーになっていました。
実際に使用してみて、不満らしい不満は感じませんでしたが
親指をTOGSに深めに引っ掛けると、親指の第一関節あたりが
ブレーキレバーのクランプ部分に触れるので
TOGSとブレーキレバーの間は1~1.5cmくらいの
スペースを設けた方が良いかも知れません
また、そうした方がブレーキレバーも握りやすくなります。
まとめ
少し価格が高めな点以外は、TOGS/トグスの評判は上々です
しばらくはノーマルタイプのグリップで使用する予定でいますが
実際に試走してみると“ERGON/エルゴン”などに代表される
エルゴグリップとの相性が良さそうな印象です
フラットバーハンドルによる手や掌の痛みの解消や
腕や肩に掛る負担を軽減したい場合は
TOGSとERGONの組み合わせが高い効果を発揮してくれるかも知れません。
最後に、TOGSを取り付けて気付いたのですが
角が地面と干渉するため、メンテナンスなどで車体を逆さまにする事が難しくなります。
ライザーバーなら、先にハンドルの末端が地面に触れるので
取り付け角度次第でギリギリ干渉を免れますが
殆どライズの無いフラットバーでは、ほぼ確実に地面と干渉します
TOGSは強度的にそれほど軟ではありませんが
アスファルトやコンクリートに擦れるとゴム部分が劣化してしまうので
頻繁に逆さまにするような場合は、いつでも角度を変えられる様に
締め付けトルクを若干緩めに設定した方が良いでしょう。