オレンジにピンク、グリーンにイエロー。
今どきのチューブは本当にカラフルになりました。
軽量さと高いパンク耐性を誇るTPUチューブが登場してからまだ十年足らず。
少し前までは、消耗品なのにそこそこ高価という理由から使用を躊躇する方も少なくありませんでしたが、良コスパな中華製TPUチューブの登場により状況が変わりつつあります。
有難いことにファットバイクにもその波が及び、今までREVOLOOP一択だったファットバイク用TPUチューブにも新たな選択肢が生まれました。
中華製TPUチューブということで品質の不安定さや耐久性が気掛かりなものの、100gを下回る軽量さは無視できません。
リリースしているのは「ピンクのTPUチューブ」として知られるRideNow/ライドナウで、バリエーションの豊富さには目を見張るものがあります。
チューブレス化の代替としても期待できるので、詳細や実際の使用感が気になるところ。
最軽量100g以下を実現!RideNowファットバイク用TPUチューブの詳細
個人的に最も驚かされたのがバリエーションの豊富さでしょうか。
バルブ長は42mmで仏式と米式の二種類、バルブカラーはホワイトとブラックから選べます。
サイズは20インチ、26インチ、27.5インチ、29インチを揃え、無いのは24インチくらいですね。
26インチと27.5インチが共用になっているのはREVOLOOPと同じですが、29インチ用があるのがちょっと意外。
私の知る限り29インチはセミファットだけで、フルファットバイクはまだ公に存在していないはず。
パッケージにE-BIKEの表示もあるので、大陸では対応するフル電動自転車なんかが普通に販売されているのかも知れませんね。
重量は20インチ用が78g、それ以外は98gと全てのサイズが100gを切っていて、現在も併売されている旧モデルでも108gと大変軽量です。
標準的なファットバイク用ブチルチューブが500gですから、軽量化の恩恵は計り知れません。
チューブレスバルブが一本5g、リムテープがホイール一巻きで15g、シーラントがタイヤ一本当たり100gで合計120gくらいなので、重量面だけならチューブレス化にも引けを取らない数値です。
実際、20インチ電動ファットバイクの大半はチューブレス化に対応していないため、この製品はかなり有用。
チューブを交換するだけで足まわりが前後で500g近く軽量化でき、バッテリーの持ちも良くなります。
続いて、競合するREVOLOOPと比較してみると、重量差は70g弱。
REVOLOOPは初期モデルが140gほどでしたが、現行品は若干の増量が見られます。
見方を変えるとRideNow製はREVOLOOPの2/3ほどの厚さということになり、耐久性は劣ると見て間違いありません。
私はREVOLOOPを使い始めて五年になりますが、その間のトラブルはゼロ。
舗装路のロングライドでも極低圧の雪道走行でも、パンクしたことは一度もありません。
同じREVOLOOPでもMTBチューブとファットバイク用チューブとでは厚さによる質感の違いがあり、ファットバイク用は張りのはる硬質な手触り。
一般的なTPUチューブは三ヶ月も使うと伸びてヘロヘロになりますが、ファットバイク用は厚手のためか数年後でもそこそこの張りが維持されます。
REVOLOOPとの比較で最も異なるのがこのバルブ根元の部分。
TPUチューブはバルブナットが存在しないためバルブ根元が擦れやすく、極低圧で運用するファットバイクではここがウィークポイントになりがち。
REVOLOOPは世界初のファットバイク用TPUチューブでしたが、この部分の耐久性は最後の最後まで改良が続けられたと聞きます。
RideNow製も円形のパッチで台座部分が補強されていますが、REVOLOOPと比べると若干頼りない印象がありますね。
数少ない海外レビューによると、やはりファットバイク用としてはチューブが薄いそうで、その軽量さを活かして携帯用の予備チューブとしての用途が期待されていました。
最後に気になる価格ですが、REVOLOOPは3400~4000円とちょっとしたタイヤ並みお値段。
対して、RideNow製は1800~2000円ほどです。
REVOLOOPの約半分と確かに安価ですが、ハズレを引くのを覚悟して購入するには少し微妙な価格帯でしょうか。
ロードバイク用の中華製TPUチューブのように博打込みでまとめ買いするには、少しだけ勇気が必要かも知れません。
因みに、アリエク以外では安く購入できないことが多いそうなので、気になる方は直接アリエクから購入した方が良いです。
まとめ
ハズレを引く可能性もあるので、RideNowのファットバイク用TPUチューブを使うなら最低でも3~5本はまとめ買いしたいところ。
前述した通り、チューブレス化できない20インチ電動ファットバイクには魅力的な選択肢になるので、カスタマイズ好きには打って付けかも知れません。
今のところ、国内でファットバイクに使用している方は皆無なので、アーリーアダプターとして人柱になるのも悪くなさそうです。