今年の冬は少しばかり気まぐれ……
そんなふうに思ってしまうほど、天候が安定せず路面の状態も目まぐるしく変化しています。
ご当地はれっきとした北国ですが、一月半ばだというのにアスファルトが剥き出しな場所も多く、まだ根雪に至ってはいません。
穏やかな天気に誘われて出走してみると、例年ならファットバイクでも走るのが困難なルートもご覧の有様。
昨シーズンの雪害で、五月上旬まで走行できなかったのが嘘のようです。
こんなに雪の無い冬は五年ぶりでしょうか、ここ数年は豪雪か暖冬かの両極端になっている気がしますね。
流石に山間部はしっかりと雪が残っていて、雪質は三月に見られるようなゆるゆる状態。
過去に3.0インチタイヤのセミファットで挑んだことのあるコースですが、雪の状態もその時とそっくり、低ノブタイヤと1.0BARのセッティングでは走破し切れず、途中で押し歩きした記憶があります。
リベンジという訳ではありませんが、今回はスノータイヤを装備したガチのファットバイクで登坂。
トラクションの掛かりづらい緩んだ雪質でも難なく突破でき、わざと轍を外して走る余裕すらあります。
剥き出しのアスファルトを走っても面白くありませんし、低圧にしたスノータイヤでは拷問同然なので、少し前から気になっていた未走行のコースに挑んでみることに。
意外にも先客がいたようで、一直線に続く先の先まで自動車の轍が続いていました。ここは川沿いなのでおそらく釣りを目的にしている方か狩猟目的のハンターの方でしょうか?
あたりに気配はありませんが、誤射されるのは勘弁です……
雪質はこちらもゆるゆるのぐずぐず、スノータイヤでも雪抜けが悪くホイールが更に鉄下駄に。
走行中に時間差で雪が飛び散り、目潰しを喰らったりもするので、小型でもフロント側にフェンダーがあると安心できます。
少し前からボトムチューブ用のフェンダーを追加していますが、今回からサドルレール取付式の簡易フェンダー「FAT BUTT FENDER」も追加。
この手のフェンダーは元祖の「ASS SAVER/アスセイバー」が良く知られていますが、ファットバイク各部のフェンダーはこのMUCKY NUTZ製で統一しています。
正直、こういった簡易フェンダーの効果には懐疑的ですし、今でも「お尻くらいしか守れないだろ……」と思っていますが、低速で走るファットバイクとは相性が良いかも知れません。
実は、昨シーズンにウエットコンディションでロングライドした際、リアフェンダー無しにも関わらずお尻や背中に飛沫によるダメージが殆ど無かった経験があります。
ひょっとして私のライドスタイルだと、今まで嫌々使っていたPDW製やBBB製などの大仰でダサいリアフェンダーは不要なのでは?というのが、このリアフェンダーを試してみようと思ったきっかけだったり。
どうやらその推察は正しかったようで、ここに至るまでお尻から背中への飛沫は一切なく、低速~中速という縛りなら、しっかり仕事をしてくれるようです。
FAT BUTT FENDERをサドルレールに取付けた際の実用長は30cm程ですが、幅は最小12cm/最大14cmと、5インチタイヤをしっかりとカバーしてくれるサイズ。
また、重量は45gで前述のPDW製やBBB製よりも150g近く軽量なのも嬉しいところ。
もう少し長ければ……と思いますが、サドルレール取付式は固定の仕組み上、このくらいのサイズ感が限界でしょうね。
因みに、サドルレールには工具不要で取付可能ですが、少しばかり慣れが必要になり、力任せだと割れてしまう恐れも。
元祖のASS SAVER/アスセイバーはサドルノーズまで固定部分が跨いでいますが、こちらは後方のみで若干固定力に劣る印象がありますね。
路面の凹凸でフェンダーが上下にバタつくことはありませんが、こういった点は競合する「ASS SAVERS BIG」や「ZEFAL SHIELD LITE XL」の方に分がありそう。
これは、PDW製やBBB製、今回のサドルレール取付式に共通していえることですが、単体ではお尻や背中への飛沫は防げても、脚部への飛沫にはあまり効果がありません。
その対策として、フォーク用と同型のベンダーフェンダーをリアフレームに取付けていたのですが、現在はタイヤのクリアランス不足により、取り外したままの片手落ち状態。
冬用のサイクルパンツは耐水性や撥水性のある物を着用していますし、シューズも防水仕様なので飛沫なんてぶっちゃけ屁でもありませんが、気になるのはドライブトレインへのダメージです。
融雪剤が混じったまま溶けた雪が、水飛沫としてチェーンやスプロケットに掛ると、短期間でサビを招きやすく、いつの間にかチェーンやスプロケが薄茶色に……なんてことも。
ファットバイクに乗り始めて以来、これらをサビさせた経験こそありませんが、ここ数年はウエットコンディションでライドする機会が増えたため、少しは気を配った方が良さそうです。
小まめなメンテナンスはもちろんですが、冬季はチェーンルブを落ちづらいウエット系に切り替えるのが無難かな?
スプロケのクリーニングにKURE 5-56を使う良く知られた方法がありますが、こちらも多少は錆止め効果が見込めるかも知れません。
さて、無雪期と同じように気ままに走れるのを嬉しく感じる気持ちもありますが、ノブ高なスノータイヤで走る舗装路は脚への負担が大きく、低圧のままだと30kmでもかなりの疲労感がありますね。
おまけにアスファルトはスノータイヤのノブを容赦なく削ってしまうので、小春日和ライドはこれにて終了。
本格的なファットバイク用タイヤは、一本でホームセンターのママチャリが買えてしまうくらい高価なので、割と洒落になりません……
せっかく、最強のスノータイヤことSURLY「BUD&LOU」に交換したのに、イマイチ本領を発揮できない状況が続いていますが、長期予報によると二月は例年通りの冬になってくれるそうなので一安心です。