20インチと27.5インチが充実!新作ファットタイヤに見る需要の変化

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特に意図した訳ではありませんが、気が付けば三回連続でタイヤの話題。

流石に偏り過ぎたと自省するも、最後はやっぱりファットバイクで締めたいところ。

さて、当の私は諸事情から数ヶ月ほど自転車から遠ざかっていて、ファットバイクのオンシーズンだというのに指をくわえて雪面をただ眺める日々。

せめてもの鬱憤晴らしということで、久しぶりにファットバイクのタイヤを漁ってみると、緩慢さが常態化したファットバイク界隈にちょっとした変化が起こっていました。

選択肢の乏しかった27.5インチ用タイヤに新顔がチラホラ登場していたり。

ファットバイク用のスパイクタイヤが唐突に充実しはじめていたり。

一過性の人気だと思っていた20インチ電動ファットバイクがいつの間にか市民権を得ていたりと、しばらく目を離していた隙になかなか興味深い状況になっています。

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まずはコレ。

気付くの遅すぎィィィ~!と自分でも思いますが、グラベル用タイヤで人気のWTBからファットバイク用のタイヤがリリースされていました。

しかも、WTB初のファットバイク用タイヤだというのに、サイズ展開が27.5×4.5インチのみという大胆さ。

正直、古参のファットバイク乗りとしては「誰も止めなかったの?」「26インチ用を何故スルーした?」

そんなふうに思わずにはいられませんが、北米でならあり得る話。

斜陽になってしまった国内とは対照的に、ファットバイクが今でも盛んな北米ではトレック・サルサ・キャニオンあたりが27.5インチホイールのファットバイクを当たり前のようにリリース。

特にトレックは27.5×4.5インチタイヤ対応の車体にかなり積極的だったりします。

私の頭の中にある「ファットバイク=26インチ」という認識は既に時代遅れになりつつあるようで、悪路での走破性も26×4.8インチより27.5×4.5インチの方が優れているのは周知の事実。

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WTB初となるファットバイク用タイヤの名前は「Bailiff/ベイリフ」

●「Bailiff」27.5×4.5/ERTO 110-584 120TPI 重量1530g/1670g

ノブにスタッドポケットが備わっていることからもわかるように、後からスタッドを埋め込める通常版とあらかじめスタッドの備わったスパイクタイヤの二種類がラインナップされています。

サイズは前述の通り27.5×4.5インチオンリーで、価格は現在のレートて通常版が22000円、スタッド版が43500円。

相変わらずファットバイクのタイヤは高額ですが、これが国内価格になると更に手の届かないお値段になってしまうのがお約束。

カタログ値では通常版が1530gでスタッド版が1670gと100g以上の重量差がありますが、実重量は通常版で1617g、スタッド版が1693gくらいだそうで、個体差が大きい印象。

センタートレッドのノブ形状は何となくファットバイク用のマキシスミニオンFBFを思わせ、密集しているため転がりは良好。

ノブは全体的に高く設計され、柔らかい雪や泥にも対応してくれます。

スタッズの総数が312個と多く、現在リリースされているスパイクタイヤ中では三指に入る密度。

嬉しいことに、使用するスタッズは有名処のTERRENEや45NRTHだけでなく一般的なタイヤスタッドとも互換性があり、ロストした際にわざわざ専用品を取り寄せる必要がありません。

タイヤサイズが27.5×4.5インチということで、フレームクリアランスが気になるところですが、80mmリムに装着した場合でタイヤ幅の実寸は107~109mmくらい。

これならギリギリ行けそうだと期待したくなりますが、時間経過とともにカタログスペックの通りの4.5インチ/114mm幅まで広がるという情報もあり、安易は判断は禁物でしょうか。

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お次はコチラ。

WTB以上に私を驚かせたのが「Billy Flamingo’s Brand」のファットバイク用タイヤです。

ビリーフラミンゴは2025年前後に創設されたかなり新しい会社で、アラスカ州アンカレッジに拠点を置くブランド。

今更ファットバイク用タイヤに新規参入する物好きな奴がいるのか……

日本国内に住む私からすると、無茶なチャレンジにしか思えませんが、これもファットバイク市場が元気な北米だからこそでしょうか。

因みに、現在のラインナップはファットバイク用タイヤ二種類と自社製スタッズとそのツール、あとはボトルケージとセットになったクマ撃退スプレーのみという、アラスカらしさ溢れる布陣。

アラスカの厳しい環境での設計やテストを経ているためかタイヤの評価は上々で、実際の雪上コンディションに即した実践的なタイヤだと太鼓判を押す方も多いです。

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ビリーフラミンゴの数少ないラインナップを彩るのは上画像のお二方。

またもや27.5インチホイール用のみのリリースとなり、26インチは完全に置いてけ堀です。

●「Lil’ Swamp Donkey」27.5×4.0/ERTO 101-584 120TPI 重量1550g±75g

●「Big Quill Pig」27.5×4.5/ ERTO 118-584 120TPI 重量1499g±75g/1540g

どちらのタイヤも独特なネーミングセンスで日本人にはとっつきづらいですが、個人的に随分と癖のないタイヤだなぁというのが第一印象。

「Lil’ Swamp Donkey」は転がりの良いオールシーズンタイヤ、「Big Quill Pig」は282個のスタッドポケットを備えたスパイクタイヤとなり、どちらのタイヤもノブ形状はかなりシンプルですね。

アラスカ生まれのタイヤということで、低温でも硬くならない「ChillFlex」というコンパウドが採用され、グリップ力の持続と共にしなやかな乗り心地に特徴があるとのこと。

その反面、コンパウンドがソフト過ぎるが故に耐久性に劣る面もあり、舗装路で常用するような使い方には向いていません。

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あれだけ選択肢の乏しかった27.5インチ用タイヤがいきなりの充実、しかもスパイクタイヤとセットです。

そうなると古参のファットバイク乗りとして気になるのが、26インチ用タイヤ……

残念ながらこちらには大きな変化は見られず、良い言い方をすれば既に安定期に入っているということでしょうか。

個人的にここ数年で一番注目したのは、シュワルベがファットバイク用のスパイクタイヤをリリースしたことで、ファットバイク乗りでも知っている方は少数かも知れませんね。

無雪期用ファットバイクタイヤの傑作「Jumbo Jim/ジャンボジム」をリリースしているメーカーだけに、こちらも完成度は高め。

●SCHWALBE「Al Mighty」 26×4.8// ERTO 120-559 67TPI 重量1700g/1770g

ノブはSURLYのリア用スノータイヤ「LOU」を思わせる横長形状。

このカタチはとにかく雪道での走破性が高く、前述の「LOU」は半凍結した雪面を破壊しながら進むとさえ称されますね。

当の「Al Mighty」も26×4.8インチクラスでは最高峰のファットバイク用タイヤのひとつに数えられ、スタッズ無しでもスノータイヤとしての走破性は相当なもの。

唯一の難点はタイヤ幅が120mm近くあることで、フレームを選ぶことでしょうか。

デカいタイヤが使えるファットバイクとしては、SURLY「 ICE CREAM TRUCK / アイスクリームトラック」が良く知られていて、26インチタイヤなら幅130mm弱まで対応と「Al Mighty」でも余裕のクリアランス。

因みに、27.5インチタイヤだと4.5インチ幅まで対応するそうで、前述した27.5インチタイヤにも全て対応できることになります。

買う前に知りたい!電動ファットバイクで気になった点アレコレイメージ01

さて、ここからは私のフットバイクに対する認識が少し揺らぐ内容。

今回のタイヤ漁りで私が最も予想外に感じたのが20インチ電動ファットバイク用タイヤの定番化です。

これは私の偏見なんでしょうけど、広告塔として名だたるインフルエンサーに車体を無料で提供していた時期があっただけに、小径の電動ファットバイクは一過性のブームに終わると思っていました。

特に国内ではその傾向が強く、ファッション性やお洒落なライフスタイルを前面に押し出した戦略で売り出されていましたが、海外では少し事情が異なる模様。

意外にも、手軽に利用できる都市用モビリティとして定着しているそうで、20インチ電動ファットバイクなら段差の多い街中をハイスピードかつ安定して駆け抜けることができると、厚い支持を獲得しています。

都市部でも小回りの利くコンパクトさも含めて、小径ファットタイヤは「サスペンション代わりのクッション性」と「安定感」を両立する最適解だという評価も聞かれました。

この情報を目にした直後は半信半疑だったものの、私の中でそれが確信に変わったのは大手タイヤメーカーのラインナップを目の当たりにしてから。

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今まで、CST/チェンシン・CHAOYANG/チャオヤン・VEEといった安価だけど品質はイマイチ……

そんなタイヤが主流だった20インチファット市場にマキシスやシュワルベといった大手がいつの間にか本格参入。

ファットバイクは雪や砂浜を楽しむものというニッチな需要から、都市型のコミューターバイクとして広く受け入れられる需要にシフトしつつあるのを感じます。

上画像の20インチ用ファットタイヤの仕様は以下の通りで、どれも電動への対応を謳った製品。

●MAXXIS「MaxxVenture」 20×4.0/ETRTO100-406 重量1515 画像左上

●MAXXIS「MaxxVenture MT」 20×4.0/ETRTO100-406 重量1740g 画像左下

●SCHWALBE「Super Moto-X」20×4.0/ETRTO100-406 重量995g/1040 g 画像右

アウトドア的なルックスの良さや未舗装路での走破性を求めるなら「MaxxVenture MT」のようなゴツ目のノブ付きタイヤ。

街乗り主体でバッテリー使用量の省エネ化を狙うなら、「MaxxVenture MT」や「Super Moto-X」といったスリックタイヤを選ぶのがオススメ。

特にSCHWALBE「Super Moto-X」は1000g前後と軽量な上に舗装路での転がりも良く、バッテリーの使用量の節約には確実に貢献してくれるでしょう。

26インチホイールのファットバイクこそが王道だと思っていた私には、少し受け入れ難い変化でしたが、ファットバイクは「人力の27.5インチ」と「電動の20インチ」といったふうに、今後は二極化の道を歩みそうな予感。

最後にちょっとした余談ですが、人力・電動を問わず20インチのファットタイヤは全て406ホイール対応とのこと。

451ホイール用は存在しておらず、451ホイールでファットタイヤを使うとタイヤ径が24インチ以下に収まらず、フレームやフォークのクリアランスに制限が出てしまうのが理由とのこと。

また、406ホイールの方がスポークを短く出来るため強度面にも優れ、クッション性の高いハイボリュームなファットタイヤを使うことでサスペンションを不要にできるという利点もあるそうです。

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