原因は寿命?グラベルタイヤにシーラントが滲み漏れる症状発生

原因は寿命?グラベルタイヤにシーラントが滲み漏れる症状発生イメージ01

グラベルロードに乗るようになった今でこそ完全にチューブレス派ですが、フルサスMTB時代はトラブルの度にTPUチューブとチューブレスレディを行ったり来たりしていた覚えがあります。

ここ一年はチューブレス化したグラベルロードが安定して運用できていたため、お手軽なTPUチューブの魅力に抗えていたのですが、「ご無沙汰しております!」と言わんばかりにトラブルが挨拶に来ました。

ほぼ日課となっている定番ルートを走り終えて、愛車のバラ完グラベルロードをガレージに収納しようとしたところ、シートチューブの背面側がいつにも増して汚れていることに気が付きます。

原因は寿命?グラベルタイヤにシーラントが滲み漏れる症状発生イメージ02

また汚れたか……そう溜息をつくも、実はこの症状は初めてではありません。

半月ほど前にロングライドをこなした後にも似たような汚れが付着していました。

ロングライド中は深い水たまりを幾つも越えましたし海沿いの砂地も走ったので、シートチューブ裏の汚れに特に違和感を覚えませんでしたが、今回の汚れは何かがオカシイ。

ロングライド後にクリーニングしてからは二回しかライドしていませんし、いずれも舗装路メインで距離も40km未満。

単なるタイヤからの水跳ねや泥跳ねにしては、不自然で過剰な汚れ方をしているのも気懸り。

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よくよく見てみると、汚れているのはシートチューブ裏だけでなく、シートステイブリッジまで被害が及んでいました。

この時点で何が原因なのか薄々気付き始めていますが、タイヤサイドに滲む白いシーラントを見てそれが確信に変わります。

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チェーンステイブリッジやBBまわりもご覧の有様で、なんとなく雨の中を走行した後のような佇まい。

こちらもタイヤサイドにはシーラントが墨入れしたかのように滲み、凝視するとタンカラーのタイヤサイドには汗ジミのように広がったシーラントらしき痕跡も。

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とどめはこちら、この日は晴天で路面は終始ドライだったにも関わらず、シートチューブの上部がしっとりと濡れています。

色が微妙に黄色い……ただの泥水だと現実逃避したい気分ですが、これは間違いなくタイヤから漏れ出したシーラントでしょう。

チューブレスレディタイヤがパンクした時の対処&修理方法イメージ04

過去にチューブレス化したフルサスMTBがパンクした際の症状とよく似ていて、ひょっとしたら自覚が無いだけでとっくにパンクしているのでは……

そんな疑念が頭を過ります。

いまのところ症状はリアタイヤのみでフロントタイヤは免れているようですが、シーラントによる汚れはあってもタイヤに極端な減圧は見られず、普通にライドを続けられているのが最大の謎。

虎の子のシーラントがスローパンクの一歩手前で踏みとどまらせ、ダメージの再発と傷の修復が短いサイクルで繰り返されている印象でしょうか。

最初に汚れに気付いたロングライドからは半月近く経過しているのに、その間の減圧は1.0BAR未満。

タイヤ内のシーラント量も空転で水音が確認できるくらいには維持されていて、滲みや漏れによる影響がそれほど大きくないのも不可解です。

原因はナニ?チューブレスタイヤに滲み続けるシーラントの謎

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流石に見てみぬふりは出来ず、ガレージから室内に入院させて症状を見極めることに。

フレームとタイヤを綺麗に拭き取ってから、ちょうど24時間経過した後の状態が上の画像です。

相変わらずタイヤサイドにシーラントが滲んでいますが、この症状自体は特に珍しい物ではなくサイドが薄かったりタンカラー仕様のチューブレスタイヤでは起こりやすい現象とのこと。

とはいえ、同じタイヤサイドでも茶色の側面と黒色のトレッド面の境目にシーラント漏れが集中しているのが少し気になりますね。

使用しているタイヤはパナレーサーの無印グラベルキング、現在は第二世代モデルが登場しているので、旧グラべルキングということになるでしょうか。

少し話がややこしくなりますが、旧グラベルキングにも更に新旧の違いがあり、私が購入した物は型番は同じでもパッケージの異なる新旧の組合せで納品されました。

フックレスでテープレス!『MAVIC ALLROAD』グラベルホイールの感想イメージ12

最初はイメージ的に旧パケ版が悪さを働いたのでは?と疑いを持ちましたが、回転方向指示の矢印マークがある方が新パケ版で、こちらをリア側に使用していたのを思い出します。

一般的に荷重の掛るリアタイヤの方が消耗が激しいことが知られていますが、それを差し引いてもシーラント漏れがリア側だけ激し過ぎるため、新旧パッケージで仕様に違いがある可能性も捨てきれません。

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目視でハッキリと確認できるシーラント漏れはトレッド面に3箇所ほど。

使用しているホイールはグラベル用のMAVIC「ALLROAD S DISC」というフックレスホイールなので、タイヤの空気圧は3.0BARが上限。

高温による熱膨張や高所での気圧変化でタイヤがホイールから外れないように10%の安全マージンを設けますから、実質的な上限は2.5BARくらいですね。

2.0BAR前後で安定している状態なら放置後のシーラント漏れは画像よりも少ないくらいの量で済みますが、2.5BARまで注入した翌日なんかは、もっとハッキリとした形でシーラント漏れを確認できます。

フレームの汚れが如実だった時は前日や当日に空気圧管理で2.5BARに加圧していた覚えがあるので、タイヤにダメ―ジがある状態で高圧気味にするとシーラントが輪を掛けて吹き出しやすくなるのでしょう。

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リアタイヤの全周を隈なく確認してみると、少ない範囲にシーラントによる補修跡が集中している箇所が複数あり、日和見で再発を繰り返しそうなダメージがトレッド面だけで10箇所近くありました。

個々の漏れは軽微ですが、これに高圧気味のタイヤや乗り手の荷重、ライド中の衝撃やダメージ再発などの要因が加わることで、シーラント漏れの総量が一時的に大きな物になったと予想。

症状の割にシーラントの減りが控えめなのが不思議でなりませんが、このままチョイ漏れ状態が続けば遅かれ早かれカラカラに乾いてしまうことでしょう。

逆に考えると、シーラント漏れが急に治まったらそれはダメージ修復のサインではなく、シーラントが尽きたことを意味します。

現状しっかりとした水音は確認できるものの、タイヤ内のシーラントがどれだけ目減りしているのかは気になるところでしょうか。

愛用のスタンズ製シーラントはサラサラ系なので単純に性能が不足しているという見方もできますが、リアタイヤのトレッド面がダメージ塗れになっているのは間違いなさそうです。

セットアップから約一年、走行距離は恐らく2000km未満ですが、無印グラベルキングは私が予想していたよりも短命に終わるかも知れません。

トレッド面の摩耗はまだ序の口ですし、ここからチューブドで運用すれば一般的に3000km前後といわれているタイヤ寿命も普通に全うできそうですが、チューブレスままではタイヤを最後まで使いきれないことが悔やまれます。

結局、シーラントがタイヤ表面に滲み漏れる原因はひとつではなく、タイヤ全周に渡る細かなダメージとシーラントの性能不足、このあたりに落ち着きそうです。

他にも疑わしい点が多々ありますが、原因になりそうな要素を私なりにまとめると以下のようになるでしょうか。

【1】普通にタイヤの寿命

【2】タイヤに自覚していないダメージ多数

【3】シーラントの性能不足

【4】タイヤの癖や仕様の可能性

【5】タイヤが高圧気味

タイヤ表面に滲み出すシーラントのおかげで、チューブドでなら自覚しないようなダメージでも、しっかりとアピールしてくるのがチューブレス。

かまってちゃん過ぎるのも考えモノですが、スタンズの無印シーラントは些細な傷でも塞がらないことがあるので、マックオフやピーティーズといった高性能シーラントに交換することで、あっさり解消できるのかも。

余談ですが、今回の件で何となく思い出したのがフジチカのシーラント「MAKUHAL/マクハル」です。

この製品を知った当初は単なる国産シーラントだと早合点していましたが、通常のシーラントとはタイヤ内での振る舞いが異なり、文字通りタイヤ内に薄い被膜を形成します。

メーカーの方曰く極薄のTPUチューブに近い性質だそうで、施工を繰り返すことで強度も増すとのこと。

今回のように全周に渡ってシーラント漏れするようなタイヤと相性が良く、内部のシーラントが液体のまま残らない仕組みのため、タイヤの重量増が数グラムで済むという点も魅力です。

施工方法に少し癖がありますし、液体シーラントのように勝手に傷が塞がってくれないという難点もありますが、注入したシーラントよりもTPUチューブの方が軽かった……何てことがよくあるので、一度くらいは試してみたくなりますね。

まとめ

旧グラベルキングのまま延命するには、高性能なシーラントに入れ替えるかチューブドで運用するかの二択。

トレッド面の減りが軽微なだけに未練タラタラですが、多数あるダメージをあらためて自覚してしまうと、素直にタイヤを交換するのが正しい選択に思えます。

問題はリアタイヤだけ旧グラベルキングにするか、前後セットで新グラベルキングに交換するかどうかですね。

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貧乏性なので心が揺らぎますが、型落ちなのに旧グラキンは品薄が影響して価格が新グラキンとほぼ同じなのがつらいところ。

しかも、新旧でタイヤサイドの色が異なるという地味な嫌がらせのせいで、リアタイヤだけ新グラキンにすることも叶いません。

出費を覚悟で前後とも新グラベルキングに交換するなら、高評価な新モデル「GRAVELKING X1」が気になりますね。

ノブ付きなので重量増になりますが、オンロードでもそこそこ良く転がり未舗装路にも気兼ねなく突っ込める点に惹かれます。

因みに、センターノブのあるグラベルキングとしては既存のSKがありますが、海外レビューによるとSKは小石を拾いやすい性質があるとのこと。

正方形のノブが規則的に並んだ他社製でもよく見られるパターンなのに不思議ですが、グラベル走行でフレームにコツンコツンと小石が当たったり、緩いコンディションでは泥が飛び散りやすいとも聞きます。

新型のX1ではトレッドパターンが一新されているので、そのあたりが払拭されているのでしょうね。

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