またか……
そんな感想しか漏れませんが、再びファットバイクにサヨナラのお知らせ。
ちょうど一年前のキャニオンに続き、今度は米国老舗メーカーの「KHS/ケーエイチエス」がファットバイクの販売を終了します。
KHSはファットバイク黎明期からリリースを続けていた気骨のあるメーカーだけに、ショックは過去イチかも知れません。
自社製のファットバイクを「4SEASON BIKE」と称し、良コスパなATBシリーズは入門機として打って付けな存在でした。

愛用のミニベロ「F-20R」がKHS製だけに個人的に思い入れのあるメーカーですが、おそらくファットバイク販売終了の遠因は2025年に始まったKHSの身売り話でしょうね。
創業者が高齢により売却を検討していたのですが、低迷している米国の自転車市場が災いして買い手が付かず、2026年5月31日をもって米国内での卸売や流通業務が完全閉鎖。
一応、KHSというブランドは存続してくれますが、拠点がKHS台湾に移り世界的な供給網はこちらが継承することに。
あくまでも私見ですが、台湾に拠点が移ったことで、北米以外の需要が乏しい非電動ファットバイクが早々にオミットされた……そんな顛末でしょうか。
余談ですが、KHSのファットバイク販売終了で唐突に思い出したのが、過去にATBを大量購入した某自治体の存在。
ガソリンや電気を必要としない災害時の移動手段として活用する目的だったと思いますが、今後はディレイラーハンガーといった消耗パーツが入手困難になるのではと、少し心配になります。

因みに、米KHSの公式HPはまだ閲覧可能で、KHSジャパンのHPでは見たことのないファットバイクがチラホラ。
国内向けではATB-3000が最上位モデルでしたが、米国ではATB-4000や5000といったハイエンドモデルの他にENDURE 1000という電動アシストファットバイクの存在も。
数年後には中古市場を賑わすレアモデルになっているかも知れませんね。
さて、KHSの終売により国内でのファットバイク市場はますます寂しい状態に。
最盛期には、スペシャライズド・トレック・キャニオン・ジャイアント・マングース・キャノンデールといった有名処が国内向けにファットバイクをリリースしていましたが、それも今は昔。

KHSの後釜として入門機を支えてくれそうだったXdsのファットバイクもいつの間にかラインナップから消えていて、10万円前後で購入できるエントリーモデルは存在しなくなりました。
私の知る限り、街乗りファットバイクや電動ファットバイクを除いて国内で入手可能なのはSURLY・SALSA・KONAの三メーカー。
古参のファット乗りからすると、本当に減ってしまったなぁ……としみじみ思いますが、ご存知の通りSURLYはファットバイクの元祖。
SALSAはその双璧的な存在、KONAは寒さの厳しいカナダ発祥と、北米にルーツを持つ骨太なメーカーだけが生き残った印象でしょうか。

この三メーカーの中で新たにエントリーモデルを牽引してくれそうなのがKONA。
「WO/ウォー」と「WOO/ウー」という呼び名の紛らわしい二種類のファットバイクをリリースしていて、画像左のWOがエントリーモデル。
エントリーモデルとは言っても10万円台後半なので決して安くはありませんが、SURLYはSALSAよりはずっと手が届きやすいですし、ECサイトも含めた入手性も悪くありません。
実は、KONAも2022年に買収されファットバイクの存続が危ぶまれた時期がありましたが、2024年に創業者グループが買い戻ししたことでメーカーとして原点回帰に成功。
日本国内ではA&Fが代理店を務めており、現在でも比較的安定した国内流通が維持されています。
とはいえ、人力ファットバイクが年々斜陽化し、電動ファットバイクに存在感を完全に奪われているのは紛れもない事実……
KONAの翌年モデルは年末から翌年初頭に掛けて代理店からアナウンスされますから、ファットバイクの販売が来年も継続されることを祈るばかりです。

