第四のバルブとしてシェアを拡大しつつあるクリックバルブ。
私も愛用者の一人ですが、少し前に海外掲示板で「クリックバルブに不具合アリ」という気になる情報を目にします。
えっ?マジで?
私の周囲にも乗り換えた人が大勢いますし、これは結構ヤバい話なのでは……
そう思いつつ内容を深掘りして見ると、どうやら初期にリリースされたクリックバルブに限った話のようで、現行品のクリックバルブは既に対策版に置き換わっているとのこと。

気になる不具合の中身は、ご覧の通りバルブが真っ二つに破断してしまうこと。
特にポンピング時に起こりやすい不具合だそうで、折れてしまうとバルブ根元側に破損したパーツが居座ってしまい、取り出しが非常に困難になるオマケ付き。
もちろん、取り出せなければ無傷のチューブやチューブレスバルブを丸ごと交換しなければならず、無駄な出費を覚悟しなければなりません。
さて、原因はというと……
仏式のバルブコアを外して、クリックバルブに置き換えるだけ!
皮肉にも、この手軽さが仇になりました。
星の数ほどある他社製バルブへのねじ込みに対応させるため、ネジ山の周辺や結合部が若干薄い作りになっていたそうで、金属疲労による破断を招きやすい設計だったという顛末。
ポンプ類で空気を入れる際は少なからず負荷が掛かりますし、横方向への力でポッキリと折れてしまうなんてことも起きてしまう訳です。
バルブが折れるのは仏式バルブでもよく聞く話なので、一方的に問題視するのは気が引けるものの、チューブやバルブまで巻き添えリスクがあるのは流石にいただけません。

そしてもうひとつ。
私がバルブの破断よりも気になったのが、シーラント詰まりの不具合。
私自身もクリックバルブで減圧する際に、先端からシーラントが僅かに噴き出すのを目撃したことがあるので薄々感じてはいましたが、クリックバルブはポンプヘッドを外す瞬間や空気を抜く際にシーラントや気化した成分が内部に引き込まれやすい構造とのこと。
また、破断したバルブ内部の画像を見てもわかるように仏式よりも内部構造が複雑なため、シーラントが固着するとシーラントカスの除去が大変困難です。
仏式ならバルブコアを丸ごと交換したり針金等での再貫通も可能ですが、割高な上に素通しになっていないクリックバルブでは現実的な方法では無さそう。

冒頭でも触れた通り、私もクリックバルブ愛用者の一人なので他人事ではありません。
とはいえ、使用しているのは本家ではなくシュワルベのSCVの方。
クリックバルブは当初こそクラウドファンディングでの展開でしたが、2024年にシュワルベとライセンス提携をしているため、本家とは事情が異なる可能性も捨てきれません。
クリックバルブの初期ロットとは、具体的にどの時期までの製品が該当するのか?
シュワルベのSCVにも同様の不具合はあるのか?
個人的に、この辺りが非常に気になるところ。
まずは悪いニュースからお伝えしますが、同時期の製品ならシュワルベのSCVも該当します。
両者はパートナー提携による全く同じ製品なので、不具合もそのまま継承されている訳ですね。

続いて最も気になる生産時期についてですが、不具合のあるロットは2024年半ばから2025年前半までに生産された物が該当します。
因みに、改良品への入れ替えが2025年前半から2025年半ばにかけてですから、2025年前半にリリースされた製品は微妙な立ち位置になるのかも。
既にクリックバルブを所有している方にとって、手持ちのクリックバルブがどちらなのかが気になるところですが、改良品と見比べる以外に判別する方法が乏しいのが実情です。
初期ロットと改良品とではネジ山付近の剛性感や加工に違いが見られ、改良品は肉厚化されている。
初期ロットはバルブ本体に刻印がほぼ無いのに対して、改良品には小さな識別ドットや文字刻印が追加されている場合がある。
初期ロットと改良品ではパッケージ記載の型番が異なっているが、具体的な内容は不明。
調べてみても、これくらいの情報しかわからず何とも歯痒い限りですが、2025年半ば以降に購入した正規品であれば、改良品と見て間違いないと思います。
逆に考えると、2025年半ば以降でも投げ売りされている物や、フリマサイトで販売されている新古品や中古品は、内容を疑った方が良いかも知れませんね。
私は2026年の春にSCVを購入していますから、改良品の可能性大で取り合えず一安心。
余談ですが、上画像のようにクリックバルブには新旧ふたつのロゴが存在していて、これも判別要素のひとつ。
国内では改良品でもまだ旧ロゴのパッケージが主流ですが、新ロゴの製品なら間違いなく最新版なので、心配性な方はこちらを選びましょう。

興味深いことに、不具合の原因が他社製バルブとの相性問題が主だったせいか、最近はクリックバルブ本家がTPUチューブやチューブレスバルブのリリースに力を注いでいます。
どちらもクリックバルブが標準になっていて、自社製だけにバルブ側との相性問題もどこ吹く風。
少し気になったのが、改良により強度面は克服されているものの、シーラント詰まりに関しては構想的な問題なせいか目立った変更が見られない点。
公式によると、使用前のクリップバルブ内部にシリコンスプレーを軽く塗布するだけで、シーラントの付着や固着を大幅に軽減できるとのことで、チューブレス運用時には忘れずに試したいところ。
クリックバルブ愛用者には気が気じゃない内容でお伝えしましたが、初期ロットだからといって絶対に不具合が出るという訳ではありません。
ポンピング時に加わる横方向への負荷が破断の引き金になることが多いので、フロアポンプよりもハンドポンプでの力み過ぎに気を付けた方が良さそうです。



