少し前の日記でも触れた通り、記録的な暖冬で二月に入ってもアスファルト丸出しな路面状況が続いていましたが、寒波襲来と共にようやく纏まった量の積雪がありました。
どうやら一週間程度は本来あるべき姿の『冬』が維持されるようですが、某ウイルスの蔓延で一週間先の見通しも不確かです。
走るなら今しかない!ということで、ちょっとした空き時間を使ってご近所ライドをしてみます。
セミファットバイクこと29erプラスがどのくらい雪道で通用するのか?フルスペックのファットバイクも所有している私にとって、それが一番気になるところですね。
気温は氷点下4度、風は3m/s程度と珍しく穏やかで、昨夜から降り続いた積雪は15cmほどでしょうか、本来ならライド時に温度調節が難しいダウンジャケットは着用しませんが、近場を流す程度なのでちょっとだけ不精しています。
タイヤの刺さり具合を見るとわかりますが、撮影時に自転車が自立するくらいの積雪でした…雪質の締った根雪(ねゆき)では珍しくありませんが、『これ、本当に新雪?』と首を傾げたくなるくらい、いつもの雪質とは毛色が違います。
リアディレイラーに目を向けると、テンションプーリーの先端とチェーンの一部が雪に埋没しています、柔らかい雪質なので走行に支障はありませんが、SRAM EAGLE 12速の10-50Tカセットは雪道に対して大きすぎるのかも知れません、ファットバイクは下手にアップグレードせずに11速のままの方が良さそうです。
ファットバイクとの違いについて詳細に語れるほどの距離を走ってはいませんが、正直な感想は『結構走れるじゃん!』でしょうか、事前にプラスタイヤでも雪上や砂上では通常のMTBと走破性に大差はないと聞いていましたが、私の知るMTBとは明らかに違う走り心地ですね。
今回の雪質が特殊だったこともありますが、吹き溜まりなどで積雪が15cm以上ある場所では流石にファットバイクとの違いが顕著になり、ハンドリングがおぼつかなくなってタイヤが左右に流れ始めます、おまけに少し前にノブの低い軽量タイヤに交換しているのでトラクションもイマイチですね。
降り積もってから、あまり時間の経過していない未圧雪路なら積雪15cmでも問題なく走れますが、根雪チックな雪質で15cm以上となるとファットバイクのように何も考えなくても突破できる感じではありませんね、雪道での走行経験と多少の慣れが必要でしょうか。
浮力の大きいファットバイクと比べるとタイヤがずぶずぶと埋没する感覚があり、これはこれでアトラクション的に楽しめるのですが、当然のことながらかなり疲れます。
雪道を走るために生れたファットバイクと比較するのは少し可哀想ですが、そのファットバイクでさえ走破しきれずに、とぼとぼと押し歩きするシュチュエーションが頻繁にあるので、3インチ程度のプラスサイズタイヤに今以上の能力を求めるのは酷かもしれませんね。
ここまでの内容でセミファットや29erプラスで雪道はダメなのか…と思うでしょうが、仮にファットバイクではなく、最初に29erプラスに乗っていたのなら『次はファットバイクを買ってみよう!』とは考えなかったと思います。
そのくらいの走破性は十分に持ち合わせていますし、積雪が適度ならファットバイクよりも走行感が軽く疲れづらい気がしました。
余談ですが、セミファットのタイヤ圧の加減がわからず、今回はファットバイクの時とほぼ同じ0.5barで出走しました、上の画像はその時の轍です。
既にチューブレス化しているので低圧にしてもリム打ちパンクのリスクはなく、タイヤの手触りからすると0.3barくらいまで下げられそうな気もしますが、低圧にしすぎてビード落ちするのも怖いので、ほどほどにしておきました。
試しに轍を測定してみると、ノブを含むタイヤの実寸幅が74mmだったのに対して、フロントタイヤとリアタイヤが重複していない部分の轍幅は95~100mmでした、低圧なだけに20%以上も扁平して接地面を稼いでいますね。
海外の情報によると29×3.0インチタイヤは1bar弱で接地面積が90㎠になるそうで、これは成人の手のひらとほぼ同じ大きさです、一方ファットバイクはタイヤ圧は不明なものの26×4.7インチタイヤで137㎠くらいとのこと。
リム幅も影響するので一概には言えませんが、タイヤ圧を煮詰めればセミファットの29erプラスでも4インチタイヤのファットバイクとなら良い勝負ができるかも知れませんね。
あらためて思い返すと、雪道での29erプラスの乗り味は、低圧にし忘れた4インチファットの乗り味によく似ていた気がします。