生活の足から趣味全開のロングライドまで。
良い意味で「雑に」扱う目的でバラ完したクロモリグラベルロードですが、ついに不本意な傷デビューを果します。
私はいわゆる立て掛け駐輪をする際に、サドル・トップチューブ・ペダルなどを支えにしてドライブ側を正面にするのが定石です。
貧弱なリアディレイラーハンガーを保護する目的で、反ドライブ側を正面にする方も多いそうですが、私の場合は撮影を兼ねることもあるため、自然にこのスタイルへと落ち着きました。
さて、取り立てて大騒ぎするほどではありませんが、ふと気付くとフロントフォークの左肩に小傷と白い塗料のこびり付きらしき痕跡が見られます。
ああ、またやっちまったか……
実はこの症状は初めてではなく、フルサスMTBでも何度か経験していました。
そう、原因はわかっています。
これは壁面ではなく、「車止め」や「ガードレール」に駐輪した際に作ってしまいがちな傷です。
MTBはハンドル幅が広いため、不安定になる壁駐輪ではなく車止めに立て掛ける方法を多用していましたが、この方法はトップチューブやフロントフォークが対象物への接点になりがち。
コンビニの正面に備え付けてあるような、ポリッシュタイプの車止めなら特に問題は起こりませんが、白や黄色に塗装されたちょっと古びたヤツは、なかなか油断できません。
傷まで入るケースこそ稀ですが、MTBのサスペンションフォークは色がブラックや艶消しブラックであることが多いため、色移りが目立ちやすいのも厄介。
フロントフォークが接触した状態で、くるりとハンドルが切れようものなら、それこそフォークの肩を舐めるように傷が入ったり、クレヨンでなぞったように色移りします。
ハンドル幅の狭いグラベルロードですしフレーム色もスカイブルーなので、そんなに神経質になる必要もないだろ……そんなふうに考えていましたが、小傷とはいえ流石に油断し過ぎていました。
さて、いつものように前置きが長くなりましたが、今回は軽視しがちなフロントフォークの傷対策を話題にしてみましょう。
フロントフォークの小傷消しと『リングプロテクター』での傷対策
まずは小傷の補修をしますが、わざわざ詳しく説明する必要が無いくらい簡単です。
ここでいうところの「小傷」は、塗膜のクリア層までのダメージとなりますが、大抵は画像の「花咲かG」で簡単に消すことが可能。
この製品はクリーナー・ポリッシャー・ワックスという三つの機能を兼ね備えた磨き剤で、クリア塗装上の浅い擦り傷だけでなく、アウターケーブルによる黒ずみ汚れなんかにも効果があります。
私の場合は花咲かGだけで小傷も塗料移りも完全に消すことができましたが、それでダメな場合は自動車用のタッチアップペンを併用しましょう。
上塗クリアを患部に何度か塗り重ねた後に、傷補修用のコンパウンドか花咲かGで表面を整えてあげるだけです。
小傷を補修した後は、カーボンフレームのファットバイク用に購入した「リングプロテクター」の出番です。
意地でも傷を付けまいと、多めに購入していたので4セットも手元に余っていました。
本来はトップチューブやチェーンステー用のプロテクターですが、結束バンドで固定するタイプにつき、フレームの気になる部分になら大抵どこにでも使えます。
また、重さはひとつ10gほどで、カットなどの加工も容易。
フォークの肩が傷付きやすいことを重々承知していたため、こんな感じでファットバイクに使用する予定でいましたが、フェンダーとの干渉問題で泣く泣く断念。
現在は自動車用の保護テープを貼り付けていますが、フロントフォークの肩部分は球体に近い形状しているため馴染みが悪く、テープに切り欠き入れてからドライヤーの熱でしつこく圧着させた記憶が残っています。
VS車止め!グラベルロードのフロントフォークにリングプロテクターを装備
見た目の変化も気になるので、鉄板の汎用保護テープ「3M スコッチ 表面保護用テープ #331」で適当に済ますのも手か?
そういった不精が頭を過るも、実際に試してみると黒いリングプロテクターが思いのほかマッチ。
保護テープよりも遥かに防御力が高いですし、わざとこの部分を支えに使う方法も悪くなさそうです。
正面から見た際のタイヤクリアランスはこんな感じ。
現在は700×38Cのタイヤを使用していますが、46Cあたりでも何ら問題は無さそう。
フォーク左肩のプロテクターがケーブルガイドに干渉するので、左右ともやや上側に取付けていますが、前述した通り加工が容易なので、ケーブルガイドの出っ張りに合わせて切り欠き入れることもできます。
リングプロテクターはフォークの内側まで達していますが、ギリギリまでクリアランスが欲しい場合は「C」の字型になるように、短くカットしてもOK。
逆に、フレームの太い部分には横に二つ連結させて使ったり、縦に連結してカバー範囲を広げたりと、工夫次第で本当に便利に使えます。
さて、リングプロテクターを装備後に軽くライドに出発。
今回ばかりは、定番コースの車止めがやたらと目に留まります。
こんな感じに表面のクリア塗装が劣化している車止めが大半で、メインの塗装もボロボロと剥がれ落ちていました。
軽く立て掛けるだけなら問題はありませんが、つや消し塗装のフレームだと表面の多孔質に劣化した塗料紛がこびり付いてしまうこともあるので、少しばかり警戒した方が良いでしょう。
ライド中に見掛けた車止めに、片っ端から車体を立て掛けてみますが、トップチューブと同等かそれを上回る高さの物が多かったですね。
何となく、パーキングの外周を囲んでいる車止めには高いものが多き気がしますが、こういったサイズだと、上段の太いバーにも下段の細いバーにもフロントフォークの肩は接触しません。
途中のサイクリングロードで見付けた車止めがようやくヒット。高さが80cmに満たない、かなり低い車止めでした。
私はライド中に頻繁に撮影するので、咄嗟のシャッターチャンスを逃すまいと、低い車止めに焦って立て掛けたのが傷の原因かも知れませんね。
最後に先程よりも少しだけ高い、個人的に一番馴染みのある高さの車止めでチェック。
このグラベルロードのスタンドオーバーハイトは80cmですから、それと同じくらいの車止めですね。
ご覧の通り、トップチューブを支えにして駐輪するのに丁度良い高さで、トップチューブにあらかじめ貼ってある保護テープやフレームバッグのベルクロ部分での保護が、存分に活かされるサイズです。
とはいえ、コーナーから先の倒立部分はがっつりフロントフォークに接触するので、立て掛け駐輪の際には注意したいところ。
ここが接触した状態でハンドルを切ると、割と簡単に傷が入ってしまいますから。
まとめ
フロントフォークは車体を横転させてもハンドルが守ってくれる部分ですが、私のように車止めを駐輪を多用している方は、念のために保護テープかリングプロテクターで対策しておくのが吉。
今回は詳しく触れませんでしたが、ガードレールは車止め以上に加工が荒いので不用意に立て掛けない方が無難かも知れません。