ファットバイクに乗り始めて今年で三年目ですが、残念な事に未だにお尻に馴染むサドルが見付からずにいます。
セカンドマシンのミニベロとサドルを使いまわしして試行錯誤した時期もありましたが、ライディングポジションや用途の違いから、ミニベロで最高な乗り心地のサドルでもファットバイクではイマイチ…なんてことも珍しくありません。
私のお尻が貧弱過ぎるせいもありますが、今まで『座面が柔らかい!』『座面が肉厚!』『ゲル入りで快適!』などを謳い文句にしているコンフォート系のサドルを散々試してみても、本当に座面が柔らかく快適だと感じたのは、現在はミニベロ専用として君臨しているSERFAS/サーファスのコンフォートサドル“RXアドバンス”くらいでしょうか。
じゃあ、いっその事ファットバイクもこのRXアドバンスで良いのでは?と思うのですが、何故かファットバイクで使うとミニベロの7割程度しか快適さを感じない不思議なサドルなんです。
今までファットバイクに使ったサドル遍歴をまとめると、【1】タイオガ”フィルティスオーラ”【2】サーファス”RXアドバンス”【3】サーファス”RXレースレディ”【4】アデプト”ハイライド”【5】WTB”Black Pure”と覚えているだけでも結構な数に上り、見事にサドル沼にハマっていますね。
タイオガ”フォルティスオーラ”を使っていたのが、今よりも輪を掛けてお尻が貧弱だった三年も前の話なので、久々に使うと『あれ?悪くない…』といった再評価の流れもあるのですが、過去に試したサドルからベスト3を選ぶなら1位がサーファス”RXアドバンス”、2位がタイオガ”フォルティスオーラ”、3位がWTB”Black Pure”と言った感じでしょうか、因みに1位と2位の間には越えられない壁があります。
さて、前置きが長くなりましたが今回は少しサドル選びの方向性を変え、ロードバイクやクロスバイクで評判の良いDIXNA/ディズナ”アキレスコンフォートサドル”を選んでみました。
このサドルは実売で3000円前後とコスパが良く、試し買いで失敗してもダメージが少ないのが嬉しいです。
果たして、今回こそはサドル沼を脱出できるのでしょうか?ファットバイクに使ってみた感想を簡単にまとめてみます。
見た目がGOODでコスパ良し!DIXNA”アキレスコンフォートサドル”
カラーバリエーションはブラック・ホワイト・ブラウンの三色で、少し前にERGONのレザーグリップに交換したのに合わせて、ブラウンをチョイスしました。
何気に、穴無し&スリット無しのフラットなサドルを使うのは学生の時以来ですが、昔は痛みを感じなかったので今でも平気な筈…と言った目論みが少しあります。
本来、評判が良いのはDIXNAの無印アキレスサドルですが、このアキレスコンフォートサドルは座面が無印よりも1cm肉厚になっていて、更にお尻にやさしい仕様です。
外見からは1cm肉厚な仕様は感じられず、ロードバイク用に使っても違和感が無いくらいスッキリとした見た目に仕上がっていますね。
値段が値段だけに作りは非常にシンプルで、裏側を見ると結構作りが雑な部分が目立ちます。
座面後部の表地にミシン目があるので、完全防水かどうかは怪しいですが、容易に水分が染み込む様な作りでは無さそうです。
座面を指で押してみると、そこそこの硬さや張りはあるものの広い面積でソフトに沈み込む感覚があり、表面素材が硬すぎてダメだったアデプト”ハイライド”とは、座面の質が少し異なる印象です。
重量は328gで、コンフォートサドルとしては軽めの部類に入るでしょうか?私の経験上、コンフォートサドルで300g台は中途半端さが拭えず、ハズレを引く確率が非常に高いです。
大抵は詰め物の分だけ重くなっているのですが、重量増分に比例した快適性は得られず、乗り心地は200g台のサドルと大差がありません。
レーパンなしでサドルに確実な快適性を求めるなら、冒頭で触れたRXアドバンスの様に400~500g台の重量を覚悟した方が良いでしょう。
DIXNA”アキレスコンフォートサドル”で実走した感想
早速、ファットバイクに取付けて試走してみますが、服装はカジュアルなジーンズのままでレーパンやインナーパンツは未着用です。
前述した通りサイドシルエットが秀逸で、大柄なファットバイクに取付けるとクロスバイク風のスポーティーな見た目になりました。
サドルによるお尻の痛みは走行距離や時間に比例して大きくなりますが、最初の数kmでお尻に痛みは感じず、座り心地も中々良いです。
スリットや穴が無いので股間への圧迫感が少し心配でしたが、予想していた通り懐かしい感覚があり、ポジションを細かく変更できるのもフラットタイプの利点ですね。
走り始めて10kmくらいで、まだお尻に痛みは感じないものの座面に慣れて硬さを感じる様になります、違和感を覚えるまでの時間は今まで試したサドルの中で最短かも知れません。
不思議とそこから痛みが強くなることはありませんでしたが、座面の硬さはトータル25kmの大半で感じ続け、私がファットバイクでよく走る40km前後の距離では少し危ういかも知れません。
総評として、お尻に強い痛みは無く安定したペダリングが出来るサドルでしたが、座面がフラットで表面素材も滑らかな影響からか、お尻に汗をかきづらい冬場は座面がツルツルと滑ってしまう欠点がありました。
今回は25kmとは言え砂利道を含むトレイルも走ったので、街乗りなどのアーバンライドで快適性を追求したDIXNA”アキレスコンフォートサドル”では少し荷が重すぎた気もしますが、クロスバイクやロードバイクでなら、十分に及第点があげられるサドルでしょうか。
まとめ
価格も安く、手触りもやわかかく無かったのでそれほど期待していませんでしたが、歴代のサドル中では3位タイくらいの乗り心地でした。
ブラウンカラーがレザー製グリップと良く合いますし、スマートな見た目はなかなか魅力的な物がありますね、今後も使い続けるか否かは長距離を走ってから判断したいと思いますが、代替となるコンフォートサドルの選択肢もいよいよ少なくなって来ました。
私が次に考えているのがsportourer/スポーツアラーの”GARDA MAN GEL FLOW”で、私と同じお尻が貧弱な皆様の評判も良いのですが、550gと言う重さがネックです。
エラストマー製のスプリングを標準搭載したハイテクサドルなので、サスペンションシートポストの機能がサドルに付加されていると考えれば許容できる重さですが、これは流石に最終兵器になりそうですね。