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ギア鳴り・汚れに効果アリ?プーリーをベアリング入りに交換

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ01

私はファットバイクとミニベロの二台持ちで、ウインターシーズン以外は手軽に乗れるミニベロの稼働率が圧倒的に多くなります。

乗る機会が増すと共に当然の様に走行距離も増え、メンテナンスも頻繁にしなければなりませんが、愛車のKHS製”F-20R”はチェーンの洗浄と注油後、メンテの目安とされる走行距離200kmを待たずして、リアディレイラーのプーリーまわりからチリチリと耳障りなギア鳴りが発生します。

ウェットタイプのチェーンルブを使用していないので極々普通の症状なのですが、下手をすればメンテ後に80km程走行しただけでも、早々に鳴り始めるので少し気になっていました。

チェーンチェッカーで測定しても、チェーンの延びはまだ0.75%を下回っていますし、リアディレイラーのインデックス調整にも問題は見られません。

静かな場所を走行した時に、チリチリとしたプーリーの回転音が気になるだけで実害は無く、定期的にチェーンとプーリーまわりを洗浄してあげれば良いだけなのですが

流石に100km毎にチェーンをメンテナンスするのは面倒ですし、使用するケミカルやクリーニング用品代も馬鹿になりません。

異音の直接的な発生源となっているプーリーはチェーンと並んで最も汚れやすい部分と言われ、チェーンオイルやチェーンの削りカス、砂や埃などが混然一体となって、短時間であっという間に汚れがこびりつきます。

本来は、回転性能や変速性能の向上を主な目的として交換するパーツですが、今回はそれに加えてギア鳴り・汚れ防止の効果を期待して、ベアリング入りのプーリーに交換してみることにします。

交換用プーリーにKCNC製”ジョッキーホイール”を選ぶ理由

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ07

シマノ純正のプーリーはセンタロン機構と呼ばれる特殊な仕組みがあり、軸部分のZ方向にわざとガタを持たせてあります。

この遊び部分があるおかげでスムーズにシフトチェンジでき、ギア鳴りも軽減されるそうなのですが、残念なことにベアリング入りの社外プーリーの大半は、このセンタロン機構を備えていません。

センタロン機構を備えつつ、ベアリングによる回転性能の向上が得られるプーリーではKCNC製の”ジョッキーホイール”の評判が良く、私も今回この製品を選びました。

私のミニベロのリアディレイラーは一世代前のSORAグレードで、プーリーは安価なブッシュ式ベアリング、素材は例によって樹脂製です。

当初の予定では、最上位にあたるデュラエースグレードのプーリー、シマノ テンション&ガイドプーリーセット“RD-9000/9070 Y5Y898060”に交換する予定でしたが、最近のモデルでは既にセンタロン機構が廃止されている模様。

それに加えて、実際に下位グレードへ使用している方が多いとはいえ、シマノ公式ではデュラエースグレードでしか使用を推奨しないとアナウンスされている点も気になったため、今回は9速、10速、11速と広く対応しつつ、センタロン機構を残したKCNC製を選ぶことにしました。

KCNC製”セラミックジョッキーホイール”を購入

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ02

KCNC製のプーリーには、トップ画像のような過剰に肉抜きされた軽量タイプやチタン製の高級モデルも存在していますが、私が購入したのは程よく肉抜きされた“セラミックジョッキーホイール”です。

軽い回転と+20%の耐久性が売りで、KCNC製ジョッキーホイールにはベアリングにセラミックを使用した上画像のモデルと、ステンレススチールを使用した、ほぼ半額の低価格モデルがあります。

ぶっちゃけ、実感できるほど違いはないので安いステンレスタイプで十分なのですが、私がなぜ高価なセラミックタイプを選んだかといえば…単に運よくステンレスタイプと同じ値段で入手できたからです。

価格とトレードオフで色を統一できなかったのは、ドレスアップパーツとして考えると少し残念な部分ですが、テンションプーリーだけでなくガイドプーリーまで交換すると、変速性能が落ちてしまう事があるという事前情報を知ったため、テンションプーリーだけの交換用として、そのあたりには目を瞑りました。

余談ですが、交換後に40kmほど試走しただけでも簡単にアルマイト塗装が剥がれたので、次回は地色近く劣化の目立たたないシルバーカラーを選ぶと思います。

セラミックジョッキーホイールの重量は単体でおよそ8g、シマノ純正のプーリーよりも2g程軽くなり、歯数は11Tで交換前と同じです。

コンポが9速のSORAなのでシマノ9速/10速用を選びましたが、上位グレードに対応した11速用も販売され、歯数11T以上のビッグプーリーもラインナップされています。

コンポのグレードに関して、ロード系ならULTEGRAより下のグレードは全てブッシュ式ベアリングのプーリーで、MTB系ならDEORE XTより下のグレードが、同じくブッシュ式ベアリングのプーリーだそうです。

コンポがこれに該当している場合は、テンションプーリーを交換するだけでシールドベアリングの効果によってプーリー回転性能が向上してくれます。

試しにテンションプーリーだけを交換

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ03

早速、プーリーを交換してみますが、テンションプーリーだけでなくガイドプーリーまで交換してしまうと、回転性能が向上する代わりに変速性能が落ちてしまうとの情報があったので、まずは無難にテンションプーリーだけを交換してみる事にします。

画像を見てわかる通り、樹脂製のシマノ純正プーリーと比べて、肉抜き穴が大きく設けれれていますね。

純正だと、この部分には砂混じりの汚れが容赦なくこびり付き、酷い場合はメンテ時にブラシを掛けたり棒状の物でこそぎ落としていましたが、シースルー化されたことで、汚れが付着しづらくなっています。

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ04

シールドベアリングということで、少し前に流行ったハンドスピナー的な回転を勝手にイメージしていたのですが、手で回してみてもびっくりするほど回転が持続せず、肝心のセンタロン機構もかろうじて粘っこく動く程度です。

カバーを外してシールドベアリングを確認してみると、粘度の高い赤いグリスがべっとりと盛られていて、ひょっとしたら経年劣化で粘度が増したのか?と勘違いする程ですが

不安になって調べてみると、私と同じような方が結構いて、同様にハンドスピナー的な回転を期待してはいけないと口々に零していました。

元々、手で力を加える様な部分ではありませんし、このまま使用しても差し支え無かったですが、念のため先人の知恵を借り、パーツクリーナーで軽く洗浄してから粘性の低いグリスを塗り直すことにします。

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ05

使用したのはタミヤ模型のセラグリスHGで本来はRC用のグリスです。

同じ様に自転車用として流用されることの多いタミヤ模型のFグリスほどではありませんが、粘度が低くペダルのベアリングをメンテする際にも使う方が多いですね。

注意点として、回転は滑らかになりますが所詮は模型用なのでシール性能は乏しく、三ヶ月くらいで軸部分から綺麗さっぱり消え去ってしまいます。

ノーメンテで長く使いたいなら下手な真似はせず、デフォルトのままで使うか、汎用か自転車用で粘度の高いグリスを使った方が良いでしょう。

余談ですが、このセラグリスを購入するために子供の頃に通った近隣のホビーショップ兼だがし屋にウン十年ぶりに足を運びました。

流石に店主は代替わりしていましたが、レジやショーケースの位置が当時のままで、短い時間でしたが少しだけ懐かしい気持ちに浸れました。

KCNC"セラミックジョッキーホイール"ベアリングプーリーイメージ06

交換は3mmの六角レンチだけで簡単に出来ます。

ネットで調べれば詳しく解説している方いるので詳細は割愛しますが、コツは以下の三つです。

【1】フロントのチェーンリングからチェーンを外し、テンションを掛けないで作業する

【2】ガイドプーリーも交換する場合は、ボルトがテンションプーリーとは逆側にあるので、リアタイヤを外した方が交換しやすい

【3】ボルトの締め付けトルクは3N·m以下を守る

プーリーを外してからプレートやアームの汚れをしっかり洗浄し、新しいプーリーに付け替える。本当にそれだけの作業ですね。

お目汚しなので画像は控えますが、取り外したブッシュ式プーリーは結構マメに掃除していたにも関わらず、カバーの内部まで汚れていました。

いつの間にか侵入した砂でジャリジャリになっていましたし、ブッシュベアリングは軸を通すだけの単純な筒状の金属パーツなので、グリスアップの効果が薄いのも納得です。

まとめ

変化を知るために、早速40kmほど試走してみました。

本来の回転性能向上が目的ではありませんが、シールドベアリングの効果からか、プーリーからチリチリと聞こえていたノイズが気にならないレベルです。

ギアをたすき掛けにすると、流石に交換前と同様にギアが鳴いてしまいますが、アルミ製だけに以前よりも金属質な少し甲高い音が聞こえますね。

さて、試走中に鳴るテンションプーリーからのノイズが軽減されたせいで、今度は未交換のガイドプーリーからのチリチリ音が妙に強調されて感じます。

後日、変速性能の低下を覚悟の上でガイドプーリーも余っているセラミックジョッキーホイールに交換してみました。色違いですが、ガイドプーリーは目立たないので許容範囲です。

肝心の変速性能ですが…ガイドプーリーを交換した直後は違和感があったものの、しばらく走ってシフトチェンジを繰り返すと、交換前との差を感じなくなります。

『慣れ』と言ってしまえばそれまでですが、変速機能が低下すると言うよりも、金属製か樹脂製かによるフィーリングの違いの方が大きい印象ですね。

結局のところ、リアディレイラーのインデックス調整が少しだけシビアになったかな?と感じるくらいで、落胆するような変速性能の低下は感じません。

その後、両方のプーリーをKCNC製に交換した状態で再度15kmほど試走してみましたが、私が期待していた静穏効果は抜群でした。

違いが分かりやすいように、交換の前後でチェーンの洗浄や注油は一切していませんが、ペダリング時はほぼ無音と言っていいくらいプーリーが軽やかに回転し、高級ロード並みに走行音が静かになったので、逆に気味が悪いくらいです。

因みに、今回紹介したKCNC製以外ではBBB製プーリー”ローラーボーイ”も評判が良いですね。

こちらもシールドベアリング採用で幾つかのグレードがありますが、仕様はデュラエースグレードのプーリーに似通っています。

本家のデュラプーリーよりも互換性が高いという利点があり、シマノ9速、10速やその他のリアディレイラーにも付属のアダプターで幅広く対応します。

互換性が原因で二の足を踏んだ私には中々魅力的に映りますが、本体はグラスファイバーを混合した非金属製なので、アルミ製プーリー特有の金属質な回転ノイズがなくシマノ純正プーリーと同じ使用感が得られるそうです。

これで本家デュラプーリーから失われたセンタロン機構が備わっていれば完璧でしたが、残念ながらシマノの特許だけあってガタは設けられていません。

ですが、KCNC製とは異なりシマノ純正プーリーと同様にテンションプーリーとガイドプーリーの歯の形状がそれぞれ異なっているためか、実際に使用した方からは変速性能の低下や交換後の違和感はあまり報告されていません。

ドレスアップパーツや軽量化パーツとしては魅力に欠けますが、KCNC製に満足できなくなったら、ローラーボーイと交換して両者を比較してみるのも面白そうです。

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